『NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク 第2巻: 【第2集】驚きのパワー!“脂肪と筋肉”が命を守る/【第3集】“骨”が出す!最高の若返り物質』2018/3/28
NHKスペシャル「人体」取材班 (編集)

NHKの番組「人体~神秘の巨大ネットワーク」書籍版第2巻です。「第2集 驚きのパワー!“脂肪と筋肉”が命を守る」と、「第3集 骨”が出す!最高の若返り物質」が収録されています。できれば減らしたいと思っている「脂肪」は、実は大切な働きをしていたんです! そして「骨」は若返りの鍵になるのだとか……前回同様、今回も興味津々な内容です!
まず第2集、「脂肪」については、「食べられないときのための備え」だとばかり思っていたのですが、実はその他にも、体温を維持したり、内臓を正しい位置に保ったり、衝撃を和らげるクッションの役割なども担っているそうです。そしてさらに驚くべき力もあるそうで、「全身に向けてさまざまなメッセージを伝える物質を放出しており、脳の動きをも左右する大切な働きをしている」のだとか! この大切なメッセージ物質の一つは「レプチン」。「エネルギーは十分たまっているよ!」と伝えることで、食欲を司る脳活動を抑制するそうです。そして「TNFa」というメッセージ物質も。これは、免疫細胞に対して「敵がいるぞ!」と警戒を促すものだそうです。
こんな大切な働きをする脂肪ですが、多すぎてメタボリックシンドロームになってしまうと、大変なことになるようです。「肥満の人の脳の血管の中では、大量の「アブラ」に邪魔をされて、レプチンが欠陥の外に出て行きづらい状態になっていると考えられている」とか「免疫細胞が暴走しやすい」とか……うわー、そんなのヤダ……脂肪は、健康のために「適量」を保つように心掛けるべきなのでしょう(汗)。
そして第3集は、若返りの鍵になるという「骨」。骨は、記憶力強化を促す「オステオカルシン」とか、免疫力アップを促す「オステオポンチン」などのメッセージ物質を出しているそうです。また、それだけでなく骨の破壊と形成を促すメッセージ物質も出しているのだとか。骨形成のブレーキ役をする「骨をつくるのをやめよう」というメッセージ物質と、「骨をつくって」というアクセル役のメッセージ物質を出すことで、骨の破壊と形成を調節しているようです。
「つくり変えが必要なのは、骨が古くなると弾力性を失ってもろくなるためだ。骨は生まれ変わることにより、しなやかさと強さ、つまり若さを取り戻す。もう一つ、骨にはカルシウムを全身に送り出す役割もある。カルシウムの99%は骨と歯に蓄えられ、残りの1%が血液や組織に存在する。この1%のカルシウムが、出血を止めたり、神経の伝達を助けたり、筋肉を動かすときに利用されたりするなど、重要な働きを担っている。血液中には常に同じ量のカルシウムが必要であるため、不足しているときは、骨は自らをいったん壊して補う仕組みになっている。こうした骨の破壊と形成を担っているのが、骨を壊す「破骨細胞」と、骨をつくる「骨芽細胞」である。」
骨はこうして若返っていたんですね!
こんな大切な骨ですが、加齢とともにだんだん衰えやすくなっていき、骨粗しょう症になってしまうこともあります。その骨粗しょう症を予防するには、「日々の生活で骨の成長を促す食事と運動を心掛ける必要がある。」そうで、食事で、カルシウム、たんぱく質、ビタミンD、ビタミンKなどを摂取することと、「骨に衝撃を与える」運動をするといいようです。
ところで健康のために「自転車」や「水泳」をしている人は多いと思いますが、驚いたことに、この二つは「筋肉」の運動にはなるのですが、「骨」の運動にはあまりならないのだとか! 「骨に衝撃を与える」ためにはランニングなどの「ジャンプ運動」の方が効果的なのだそうです……うーん、毎日ランニングするのはちょっと難しいので、これからはせめて「その場ジャンプ」を日課に追加したいと思いました……。(なお、普段あまり運動をしていない高齢者の方などは、すでに骨密度が低くなっていて急にジャンプ運動などをすると骨折してしまう可能性があるので、運動は少しずつするようにしてください。)
今回の本は、自分の健康にとってすごく大切こと(脂肪量を適度に保つ、骨に適度な衝撃を与える)の科学的な根拠を教えてくれました。バランスの良い食事をとって、スクワットで筋肉をつけ(脂肪を減らし)、ジャンプ運動で骨に刺激を与えて、「若返り物質」を出してもらえるよう心掛けたいと思います。すごく参考になったので、ぜひ読んでみてください☆