『「紙」の大研究〈2〉紙とくらし』2004/4/1
丸尾 敏雄 (監修), 樋口 清美

紙について、「暮らしの中で果たす役割、利用のされ方」などを分かりやすく解説してくれる本です。「「紙」の大研究」の2冊目で、日本の中の紙の特産地、紙にかかわる環境の問題についても写真やイラストで説明してくれます。
「くらしの中のいろいろな紙」では、剣道の武具にも使われるプラスチックのような紙(バルカナイズドファイバー)などの珍しい紙を知ることが出来た他、トレーシングペーパーの製造方法の概要を知ることも出来ました。「トレーシングペーパーのルーツは和紙の典具帖紙や鳥子紙だという。1940年から機械生産が始まった。原料の準備段階で、針葉樹パルプの繊維の長さをなるべく保ちながら、繊維をよくたたいて毛羽立たせる。通常よりもパルプを十分たたくので、パルプが粘状になる。」のだそうです。こんな方法で半透明になるんですか……。
また「変わっていく紙」という章では、「焼くと陶器になる紙」がすごく魅力的だと思いました。「陶土がたくさんふくまれているのが陶紙。陶土は90%も含まれている。セラミックペーパーとも言われている。抄紙機械で普通の紙とおなじように作ることができる。陶紙で折鶴を折って焼くと、陶器製の鶴が出来上がる。陶紙に含まれていたパルプは焼けてなくなる。」そうです。お土産物屋などで、とても精巧にできた陶器製の折鶴などを見たことがありましたが、本当に「折って作って」いたのかもしれません。
さらに「紙と地球環境」の章では、紙づくりや地球環境を守るために、私たちに出来ることも教えてもらえました。
1)紙を無駄に使わない
2)リサイクルできる紙は分別し、ゴミがまざらないようにして出す
3)紙の白さをむやみにのぞまない
4)再生紙をもっとつかおう

再生紙の歴史はとても古く、紙はリサイクルしやすい素材でもあるので、今後も積極的にリサイクルに協力していきたいと思っています。