『まんがでわかる失敗しないリフォーム&リノベーション』2019/2/20
近藤 こうじ (イラスト), 浅井 千春 (著)
まんがで分かりやすく住宅やマンションのリフォームやリノベーションについて教えてくれる本です。
実を言うと、リフォームにさほど関心があったわけではなかったのですが、自己啓発書ではよくある「まんがでわかる」本の住宅版というのが珍しかったので、つい書店で手にとってしまい……内容も良さそうだったので購入してしまいました。以下のような「ありがち」な住宅事情設定(二世帯同居、中古戸建て、マンションリノベ、ペット共生、古民家、自然素材、DIY、外装・水回りなどの事例)で、それぞれのリフォーム・リノベーションを漫画(ストーリー)と短い文章解説で紹介してくれます。
CASE1 愛着ある住まいを生かしながらそれぞれの想いを実現する二世帯住宅
CASE2 建物の真価を見極めながら憧れの暮らしを手に入れる
CASE3 予算内の中古リノベーションでしたい生活を実現
CASE4 人と猫がのびのび暮らせる猫想いの家
CASE5 築100年を超える古民家がリフォームで快適な住空間に変身
CASE6 自然素材の優しい空気に包まれて伸び伸び子育てをする
CASE7 DIYのカスタマイズも暮らしの楽しみに
CASE8 将来を見据えたプランで安心リフォーム
*
個人的に特に参考になったのは、CASE2の中古住宅購入+リノベーションと、CASE8の外装・水回りリフォームの事例。
CASE2の中古住宅購入+リノベーションでは、中古住宅購入前に「ホームインスペクション」というチェックを依頼できることが、とても参考になりました。
最近は空き家の増加が社会問題になっていますが、「安く住めるなら空き家を活用して住むのもアリかも」と思っていたのです。でも空き家(中古住宅)を買って実際に住んでから、湿気や雨漏り、見えないところのひび割れなんかに困らされるとイヤだなー、やっぱり新築の方がいいか……とも思っていました。
ところが、「ホームインスペクション」を使えば、安心して中古住宅を買うことが出来るようです。これは家の健康診断で、住宅診断士が建物の価値を調査して、買い手に対策を助言してくれるというものなのだとか。
またCASE8の外装・水回りリフォームでは、業者さんが外壁や雨漏りの状況を確認する方法を、具体的に知ることが出来て、参考になりました。例えば、赤外線サーモグラフィーを使うと屋内の湿度分布が分かるので、漏水の場所が分かるそうです。住宅の外壁にひび割れなどの気になる箇所がある方は、信頼できるリフォーム会社に、チェックを依頼してみるといいかもしれません。
この本を読んで、中古住宅のリフォームやリノベーション、やってみる価値はあるかも、と思わされました。工作好きなので、住宅のDIYもやってみたいし、その場合は、中古住宅の方が、やりがいがありそう。もちろん重要な構造部分や水回りのリフォーム&リノベーションだけは、絶対にプロに依頼したいけど。
ところで、この本に出てくる業者(ハウジング会社)は、当然、架空のものだと思って読んでいたのですが、「おわりに」まで読んだところで、なんと実在の会社だということが判明! なるほど、だから以下のような「広島情報」があったのか……。
「新築住宅と中古住宅の大きな違いは、やはり販売価格です。例えば、広島県内の人気のエリアに注文住宅を建てると4000万円前後の費用が必要ですが、中古住宅の場合は1500万円前後です。そこにリノベーション費用や諸経費を加えると2500万円前後となり、中古住宅リノベーションの方がマイホーム費用を抑えることができます。」
……あらららら……お金を払って某ハウジング会社の宣伝本を買ってしまったのかなー、とちょっと思ってしまいましたが、それでも色々な面で、すごく参考になる内容だったので満足しています。もしも広島で住宅を探すことになったら、迷わず某ハウジング会社に連絡を取ってしまうかも、と思わされるほど……(笑)。
この本は、広島の某ハウジング会社が、自らの経験をもとに「分かりやすくリフォームやリノベーション」を教えてくれるものです。事例をもとに書かれているので、とても具体的で分かりやすかったと思います。新しく住宅を買いたい、中古住宅を買いたいなど、住み替えを考えている方は、ぜひ読んでみてください。
* * *
なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
<Amazon商品リンク>