『健康長寿の人が毎日やっている腎臓にいいこと――透析専門医が教える!』2024/6/7
別府 浩毅 (著)

 腎臓に不安が生じたら、食事、栄養、生活習慣をどうすればいいのかについて、透析専門医の別府さんが教えてくれる本で、内容は次の通りです。
第1章 本当に怖い、腎臓にまつわる病気
第2章 そもそも腎臓の働きって、何?
第3章 腎臓がよくなる「食」の習慣
第4章 腎臓がよくなる「運動」の習慣
第5章 腎臓がよくなるその他の生活習慣
第6章 もっと詳しく、腎臓病について
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「はじめに」には、次のように書いてありました。
・「日々心臓や脳、血管といった循環器や糖尿病の治療を行うなかで、一見腎臓は直接関わるものではないようにも思えますが、じつは切っても切れない関係なのです。
 なぜなら、心臓が悪い人のほとんどは腎臓も悪く、腎臓の悪い人の半分は糖尿病が原因となっているからです。」
・「慢性腎臓病(CKD)に悩む日本人は、成人のおよそ8人に1人、1300万人以上といわれています。」
 ……えっ? そんなに!
・「腎臓はとくに、事前対応が大切な臓器です。
 腎臓が悪くなってから、つまりは人工透析に入る直前に「治してほしい」と言われても、元通りに治すことができません。」
 ……「第1章 本当に怖い、腎臓にまつわる病気」によると、腎臓病になると身体の具合が悪いことで生活がとても不便になるだけでなく、人工透析になると1人あたり年間500万円も医療費がかかるそうです。
「第2章 そもそも腎臓の働きって、何?」によると、腎臓の7つの役割には……
1)老廃物や不要なものを尿から排泄する
2)体内の水分量の調節
3)電解質の調整(特にカリウムの調整は重要)
4)PHの調整
5)血圧の調整
6)カルシウム・リンの代謝及びビタミンDの活性化
7)造血機能
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 ……というものがあり、「腎臓が悪くなると高血圧になり、さらに腎臓が悪くなる悪循環」とか、「余分な薬の成分も排泄できず、副作用の元にもなる」とか、さらに「脳へ血液や酸素が運ばれず、認知機能が低下すると考えられる」なんてことも……怖いですね……。
 でも実は、糖尿病腎症と腎硬化症は「生活習慣病のなれの果て」であることが多いので、生活習慣を改善すれば、予防できるようです。
 ということで第3章以降は、生活習慣病の予防方法が書いてあります。
「第3章 腎臓がよくなる「食」の習慣」では、「腎臓にいい食事の基本は、エネルギーをしっかり摂ること(三大栄養素は十分なカロリーがあってはじめて本来の働き方をする)」とか、「腎臓を守る万能な食材はない。偏らないように食べることが大切」だそうです(本書内にはもっと詳しい解説があります)。
 また「第4章 腎臓がよくなる「運動」の習慣」には、なんと最近では、「医療分野で病気の人にも運動が推奨されるように変わってきた」と書いてありました。身体を動かさないほうが、デメリットが大きい、という研究結果が出てきたからだそうです(ただしもちろん「適度な運動量」が大切だそうですが)。
 運動は、血管若返り物質であるNO(一酸化窒素)の分泌を促進するので、腎臓にいいのだとか(NOの分泌を増やすには、血行を促進し、筋肉内に流れる血液量を増やしてあげるのが効果的)。
 さらに「第5章 腎臓がよくなるその他の生活習慣」では、「禁煙」、「6~7時間睡眠」など、ごく一般的に「健康によい」とされていることが、腎臓にも良いことが書いてありました。
「第6章 もっと詳しく、腎臓病について」によると、腎臓病のサインはまず「尿」にあらわれるそうです。
 身体がむくむ、気だるさがある、息切れする、身体に変調を感じる、食欲不振といった症状がある人は、腎機能が低下しているかもしれないので、採血と尿検査を行い、原因を精査したほうがいいようです。
 まだそんな症状が出ていない方も、「食事」「運動」「睡眠」に気をつけた「健康生活」を心がけることで、腎臓機能を快適に長持ちさせ、「元気で長生き」できるようにしましょう☆ みなさんも、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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