『サクッとわかる ビジネス教養 栄養学』2023/10/5
飯田 薫子 (監修)
栄養学の基礎知識から、「糖質」「筋肉」「肥満」などの気になるテーマ、最新の栄養トピックまで、「食べる」ことの最新常識を、イラスト図解でサクッとまとめて解説してくれる本です。『サクッとわかる ビジネス教養』というタイトルだったので、文章中心の本かと思いましたが、フルカラーの大きなイラスト中心で文章は少なめなので、アッと言う間に読み終わりました(笑)。
内容は他の栄養学と本とほぼ同じですが、文章が少ない分、情報量は少なめかも……。それでも「栄養学の基礎知識」は書いてあるので、本を読むのは苦手だけど、健康のために栄養学は知りたい、という方に最適な本だと思います。
さて、食べ物が持つ3つの働きには、「栄養としての働き」、「嗜好品としての働き」、「機能性としての働き」があり、栄養の2つの役割は、「体を動かす」「体をつくる」ことだそうです。
そして「5大栄養素+2」の概要は、次の通りでした。
1)炭水化物(糖質):主要なエネルギー源
2)脂質:エネルギー源になり、余ったら体脂肪に(細胞膜やホルモンの成分に)
3)たんぱく質:筋肉や臓器、骨、ホルモンなど体をつくるための主成分
4)ミネラル:骨など体の組織になったり、代謝を促進したりする
5)ビタミン:エネルギーをつくるのを助け、免疫機能などの機能を正常に保つ
6)食物繊維:消化されないまま腸に届き、便通をよくして腸内環境を整える
7)フィトケミカル:植物由来の化学物質。抗酸化作用や免疫効果など
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このうち「フィトケミカル」は初耳でしたが、これは植物の色素や苦み、香りなどの成分など、植物由来の化学物質で、抗酸化作用や抗ガン、免疫力アップなどの機能が注目されているそうです。
また「栄養素」ではありませんが、もちろん「水」も超大事で、1日に必要な水分量は、およそ2~3リットルなのだとか。
また日本人に不足しがちな栄養素として、次の4つがあげられていました。
・ビタミンA(皮膚や粘膜を強化し、免疫力を高める効果がある)
・ビタミンD(骨にカルシウムを沈着させて強くする、など)
・葉酸(ビタミンB12とともに赤血球を形成。皮膚や粘膜を強くする働きも)
・カルシウム(歯や骨をつくっている。筋肉の収縮や酵素の活性化にも必要)
……これらをちゃんと摂取するよう、心がけたいと思います。
ちなみにミネラルには、非金属も含まれるそうです。次のように書いてありました。
「ミネラルとは、体を構成する4つの元素(炭素、酸素、水素、窒素)以外の、体に必要な元素の総称です。鉄や銅などの金属だけでなく、非金属のフッ素やヨウ素も含みます。ビタミンと同様に体の調子を整えるために働くものと、体を形づくるものがあります。」
……ミネラルも大事ですね。
最近は、筋トレの時にプロテインの摂取も推奨されているようですが、プロテインには、次のようにホエイプロテインとソイプロテインの2種類があるそうです。
・ホエイプロテイン:牛乳の乳清(ホエイ)を乾燥させたものが主成分。BCAAが豊富で、筋肉の合成促進や運動中の筋肉の分解抑制効果などがある。筋肉を増やしたい人は意識して摂取しよう
・ソイプロテイン:大豆たんぱく質を粉末状にしたものが主成分。ホエイに比べてBCAAが少ないため、筋肥大の効果は強くはないが、体をひきしめたい人はソイプロテインを摂取するとよいだろう
……かなり違う性質があったんですね。目的に応じて使い分けるべきなのでしょう。
この他にも、「筋トレ後のアルコールは控えよう」とか、「朝はしっかり夜は控えめがダイエットに効果的」とか、「脳にイイ栄養素と集中力を高める栄養素」とか、「二日酔いから解放されるには」とか、参考になる情報がたくさんありました。
『サクッとわかる ビジネス教養』……栄養学の基本をさらっと知りたい方にも、仕事や食生活に活かしたい方にも役に立つ本だと思います。ぜひ読んでみてください☆
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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