『ROKR コースター 水車 コグ 立体パズル』

 とてもメカニックな水車のコースターを楽しめる立体木製パズル(コグ)です。
 ベニヤ板に印刷されている部品が、とても精密にレーザーカットされているので、指で押しだして、きれいに取り出せます。(バリはほとんど出ませんが、小さい紙やすりもセットされています)。
 また説明書は英語ですが、豊富なイラストで説明されているので、特に問題なく組み立てられました。組み立てると、商品写真通りの、素敵なメカニックなモデルが出来上がります。
 大きな歯車を回すと、連動して左の坂道が凸凹交互に動きます。その先には穴がある坂道があって、穴のすぐ下には、なぜかアイスクリームの「へら」のようなものがぶらさがって揺れています。そ先にも坂道が続いていて、ぐるぐる回って最初の歯車の場所に戻るようになっています。
 ……という、とても複雑な構造をしているので、完成したとき、ボールがどんな動きをするのか、凄くわくわくしてしまいました。
 さて、手前の溝にパチンコ玉のような銀色の金属ボールをセットして、手で歯車のクランクを回すと……ボールは歯車の下の穴に吸い込まれていきます。そして歯車の穴に乗ってどんどん上へと回っていき、上の溝まで来ると吐き出されます。そして溝を転がって、凸凹に上下している坂道に差し掛かると、坂道のボックスに乗って……さらに上がっていきます。
 ここで、おお! という感じで、さらに見守っていると、次の溝内の道の途中に落とし穴のある道にさしかかって……落とし穴にひっかかってしまいました。
 ……え? ……ボールは次々に落とし穴にひっかかって……三個が落とし穴にはまってしまい、何も起こらないのです。
 えええ? と見守っていると、四個目がさらに次の落とし穴に落下して、下の溝まで落ちました。すると……
 なんということでしょう! 下の溝を転がる四個目のボールが、落とし穴にはまったボールの下の「へら」を押して……はまっていた三個のボールを、どんどん落としていくのです!
 うわぁあーーー! すごーいーー! 自分で作った立体木製パズルに大興奮☆
 こんな仕組みだったんだ! 作っているとき、坂道になる道の穴の真下に、障害物のように「へら」がついていて、これ、設計ミスじゃないのかなーと、ちょっと疑いを抱いていたのですが……こんな仕組みになっていたとは!
 それまでの苦労が、一気に報われた瞬間でした(笑)。

 ……ということで、この立体木製パズル。ちゃんと完成させれば、科学博物館に展示されているような、楽しいメカニックモデル(「歯車で遊んでみよう!」みたいな体験モデル)になりますが、実は作るのは超大変でした(涙)。
 箱に書いてあった難易度は4(5段階評価で)だったので、工作好きの私にとっては、たいしたことないだろうと思っていたのですが、難易度4とはとても思えないレベルでした。……というか工作自体は難易度4程度かもしれませんが、とにかく組み込み部分がとても「硬くて嵌らない」のです!(涙)
 この立体木製パズルは、水車コースターとして「動かして遊ぶ」もののせいか、組み立て後の頑丈さを考慮したようで、全体に組み込み部分がきつく、とくに構造部分は、これはパズルじゃなくて、組み立て家具なんじゃないかと思ってしまうレベルの硬さ。しかも「浮いている」「壊れやすい・たわみやすいべニア板」に、硬く組み込まなければならないという「難易度の高い組み込み」を要求されるのです。だから……手元にいろいろな工具があって、それを臨機応変に駆使して組み立てられる工作好きの人でないと、途中で挫折するかもしれないと思ってしまいました。
 ちなみに私が使ったのは、金槌・木槌、ピンセット、せんたくばさみ、ラジオペンチ、木工ボンドなど、他にもいろいろ利用して完成させました。
 このうちの木工ボンドは、本来必要ないものですが、ずれやすい部分があるので、強度を高めるために使いました(パズルの板に斜線が引いてある部分です)。
 なお、組み立てがキツイということは、失敗したときに修正が大変だということでもあるので、組み立て説明書をきちんと読んで組み立てましょう。特に「部品の裏表」、「組み立て箇所」は、間違いやすい場所もあるので、じっくり読んだ方がいいと思います。
 完成すると最高に面白くて、見た目もすごくカッコいい立体木製パズル(機械模型)になります!……なのですが……もっと組み立てやすいと、本当に最高だったのになーと思わないでもありませんでした。
 そして動かしてみて思ったことは……落とし穴のある坂道は、板を二重にして、板の中央部分が広がらないようにして欲しかったなー、ということ。動かしているうちに、真ん中の穴の幅がちょっぴり広がって、三個目の穴まで転がらないことがあるのです。
 それと、その坂道の下の道をもう少し長くして欲しかったなー、ということ。ボールが勢いよく転がってしまうと、四個目の穴で落ちないまま、その先に転がってしまうことが稀にあるのですが、その時に下の道に受け止めてもらえずに、さらにその先で落ちてしまうことがあり、ボールが外に転がり出てしまうことがあるのです。もう少し長ければ、飛び出したボールも受け止めてもらえるのに……(ちなみに私は、余った部品を活用して、ここに飛び出し防止ガードを接着剤でつけて解決しました)。
 えーと……そんなわけで、ちょっと不満もありましたが……それでもこのパズルは、機械模型として超優秀な構造をしているのは間違いなく、工作好きなら、「うわー、こんな構造なんだ、すげーな!」と感動すること間違いなしです。
 そして……(小声で)組み立てでは、「指が痛くなる」ことも間違いなしです……。
 それでも、とにかくこの素晴らしい構造を楽しんで欲しいので、いろんな工具がたくさんある工作好きの方は、ぜひ作ってみてください☆
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