『最高の歩き方 やせる! 若返る! 疲れにくくなる!』2020/9/11
能勢 博 (著)

 最短3分+3分くり返すだけで、ジムの筋トレと同じ効果があるという究極のウォーキング「インターバル速歩」を教えてくれる本です。
『最高の歩き方』というタイトルだったので、歩くときの姿勢などを教えてくれる本かと思いましたが、ほとんどは「インターバル速歩」に関する内容でした。でも、もちろん歩く時の姿勢に関する解説もあり、全体として、とても参考になりました。
 実は「1日1万歩」では運動強度が足りなくて、効果が少なかったことが調査で分かったそうです。それよりはむしろ「速く3分」+「ゆっくり3分」を繰り返す「インターバル速歩」の方が、ずっと健康には効果的なのだとか。
「筋トレのためにジムに通う必要もなく、道具もいらない、通勤の行きかえりでもできる、とっても簡単な歩行方法です」という「インターバル速歩」には、次のような、さまざまな健康効果があるそうです。
・ややきつい運動でミトコンドリアを活性化することが、慢性炎症を抑制する。また血管も柔らかくなる
・運動トレーニングによって脳血流量が増加すると認知症の予防になる
・骨が丈夫になり若返る
・よく眠れるようになる
 これらの効果については、たとえば「骨を丈夫にするためには、カルシウムを摂るだけでは足りません。骨にある程度物理的なストレスをかける必要があります。」などの科学的な裏付けについても解説があるので、とても説得力を感じました。
 そして「インターバル速歩」の具体的な方法の概要は次の通りです。
・「3分(速い歩き)+3分(ゆっくり歩き)」を5セット(合計30分)。週4回でOK
・早歩きの時は、「ややきついと感じる程度(個人の最大体力の70%以上)」
・たくさん汗をかくのでスポーツドリンクは必携
 そして3分間をはかるためには、ストップウォッチやスマートフォンのアラーム、ランニングウォッチを利用する方法の他、「音楽」を利用する方法もあるそうです。これは「3分の区切りにあう音楽を数曲お気に入りに入れておいて、それを繰り返しリピートする」方法なのですが、これ、すごくいいですね! それぞれのテンポにあう曲を選んでおくと、気持ちよく自然に「インターバル速歩」をこなせそう。
「インターバル速歩」の前・後に行うストレッチ方法についても、写真つきで解説されています。
 なお「インターバル速歩」に坂や階段を入れなければいけない場合には、「下り」は必ず「ゆっくり歩き」にすべきだそうです。「上り」を速歩にするのはレベルアップになりますが、「下りは体重や速歩がダイレクトに膝・腰へ伝わり、トラブルの原因になりかねない」という注意が書いてありました。
 ……ということで、とても健康に効果がある素晴らしい「インターバル速歩」なのですが……個人的には部屋で「すこしきつめの運動のエクササイズ30分程度」を日課にしているので、これを追加する必要はまだないかなーと思ってしまいました。でも状況によっては、エクササイズを「インターバル速歩」に切り替えてもいいな、とも考えています。
 また、この「インターバル速歩」には健康効果がたくさんあるのに、ちょっと「妙な歩き方」にも見えそうなのが気恥ずかしくて、実行しにくい感じもあります。幅広い年齢層が気軽にできる、とても良いトレーニング法のようなので、この「インターバル速歩」がもっと幅広く認知されて、一般化していくことを願っています(笑)。
 そして「理想的な歩き方」としては、人間の骨格モデル(正面・側面)のイラストとともに、「頭の揺れを小さく、鼻で吸い口から吐く、あごを引いて遠くを見る、肩はできるだけ水平に、肩の力を抜く(中略)かかとで着地して親指の付け根で蹴る、広い歩幅で、つま先を反らせる意識で、膝を伸ばしやや速く歩く」などの解説もありました(本書には、もっと詳しい解説があります)。
 筋力、持久力、血圧、肥満、体幹、肌つや、骨密度、認知症、腰痛などに効果バツグンの最高の歩き方「インターバル速歩」を教えてくれる本でした。健康のために、何か簡単な運動を始めたいと考えている方は、ぜひ読んで、トライしてみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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