『見たい! 知りたい! 図書館はうら側もすごい! 大型本 ? 2020/12/23
小田 光宏 (監修)

 普段あまり行く機会のない「国会図書館」を中心に、めったに見ることができない図書館のうら側に潜入、本を貸し出す以外に図書館が果たしている役割や、お宝級の貴重な資料、表には並んでいないたくさんの本を保管している書架(本棚)などを、豊富な写真で紹介してくれる本。図書館のうら側を知ることができます。
 普通の図書館の役割は、1)資料を集めて整理する、2)資料を保管する、3)資料を提供する、ですが、国会図書館の役割は違うそうです。国会図書館の役割は、1)国会活動のサポート、2)資料の収集・保存、3)資料の提供なのです。そして国会図書館には、国会のサポートをする「東京本館」、増え続ける資料を収蔵する「関西館」、子どもと本のふれあいの場をつくる「国際子ども図書館」の3つがあるそうです。
 なかでも国会図書館の「2)資料の収集・保存」は本当に凄い。国内の出版社・団体などが発行したすべての出版物を収集しているのです。実は、「日本国内の出版社や団体などには、発行したすべての出版物を国会図書館におさめることが義務づけられています。これを「納本制度」といいます。」なのだとか。……もの凄い量の資料が保存されているんでしょうね……。
 さらに量だけでなく質も凄いのです。例えば、「日本でいちばん古い印刷物(百万塔陀羅尼。奈良時代)」とか、「大日本帝国憲法(浄写三月案)」とか、貴重な資料の写真をたくさん見ることが出来ました。
 また国会活動のサポートとして、国会議員の仕事の手伝いもあるそうで、国会議員からの質問に答える仕事をしているそうです。
 さらに紙の資料だけでなくインターネット上の資料の保存もしているそうで、集める対象は、「国や公共の団体など、国内のウェブサイトを定期的に集めて保存」しているのだとか。「WARP」というサイトで、国会図書館が集めたウェブサイトをそのままの形で閲覧できるそうです。さらに「国会図書館デジタルコレクション」で、国会図書館がデジタル化した資料とともに、電子書籍などのオンライン資料も提供しています。
 とても参考になったのが、「国会図書館では、資料をさがすのに役立つさまざまなサイトをつくって運営しています。」という話で、一般の利用者も使えるそうです。
1)リサーチ・ナビ(キーワードを入れて検索することで、キーワードに関する資料の一覧が見られる)
2)レファレンス協同データベース(参加している全国の図書館で実際にあった質問とその回答を、キーワードを入れることで一覧で見られる)
3)ジャパンサーチ(国会図書館だけでなく、全国の博物館や美術館が保管している作品についても、まとめて検索できる(資料をデジタルデータで閲覧可能))
 フルカラーの写真やイラストで、図書館のうら側を詳しく知ることが出来る本でした。もちろん図書館で働くには、どうすればいいのかも教えてもらえます。(「司書」や「司書教諭資格」などの資格を取るといいようです。)図書館が好きな方は、ぜひ読んで(眺めて)みてください。(なおこの本は青少年向けの大型本のようで、すべての漢字にふりがながついています。)
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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