『潜在意識をとことん使いこなす』2015/2/10
C・ジェームス・ジェンセン (著), 大沢章子 (翻訳)
自分の「心の声」にフォーカスし、意識と潜在意識を正しく使いこなせば、望むものはすべて、この「心の力」がもたらしてくれる……潜在意識の使いこなし方を教えてくれる本です。
潜在意識に発言力を与えるためのもっとも重要な3つの方法は次の通りだそうです。
1)願うこと。すべての変化は願うことから始まる。
2)期待すること。期待すれば、我らが眠れる巨人、潜在意識が目を覚まし、すると期待したことが行動となって実現する。
3)想像。想像力は、あなたの目標に命を吹き込む。
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潜在意識を使いこなすためには、「アファーメーション」、すなわち自己暗示が重要なようです。アファーメーションは次のように定義されています。「事実や信念(肯定的なものも否定的なものも含む)の表明で、期待する結果へと人を導くもの」
……「自らを信じるものは救われる」という感じでしょうか。この本では、次のような心に響く文章をたくさん見つけることができました。
「あなたが潜在意識に言い聞かせたすべてのことを、潜在意識は何としてもやり遂げようとする。だからこそ、正しい意見や前向きな考えを潜在意識に刻み付けなくてはいけない。」
「精神的に不安定になった場合、いちばんよいのは考えないようにし、緊張をほぐし、思考を止めてしまうことだ。そのあと、潜在意識にこう告げよう――平和と、調和、神の秩序を受け入れなさいと。すると、体の機能がすべて元通りになるのがわかるはずだ。潜在意識には、権威と自信のある態度で語りかけるように。そうすれば、潜在意識はあなたの指示に従うだろう。」
「まず習慣ができる。そして、習慣が人をつくる」
「真実であろうがなかろうが、それを「真実」と受け止めればそれは真実となる」
「アファーメーションは「思考の質」を変えてくれる」
「アファーメーションの目的は、私たちの行動に変化を起こすこと」
なるほど……。……でもなあ……強く願っていれば、その通りになっていくっていうのは、あまりにも安直なんじゃないかなあ……とつい思ってしまうので、どうしても「疑う心」が芽生えて「心の底から願えない」。すると「潜在意識をうまく動かせない」、「願い通りにならない」という悪循環に陥ってしまうのです(汗)。もっとも強く願えば、潜在意識が「行動」にまでつながるので、「願う(アファーメーション)」だけで望みが叶うわけではありませんが……。
とにかく、「願ってもどうせ実現しない」と絶望していても、「どうせ私なんて……」と卑下していても、何にもならないことは明らかなので、この本の教えのように「自分に呪文をかけて」健全な自尊心を育んでいく方が、人生をより良いものに出来るのではないかと感じました。
さて健全な自尊心のある人には、次のような特性があるそうです。
1)私にはできる
2)自分が大切、同じように他人も大切
3)自分を自分以上に大きく見せる必要はない
4)誰かのせいにはしない
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……確かに、こういう人となら友達になりたいと思います。ということは、自分がそうなれば、周囲と仲良くやっていけるし、目標に向けてまっすぐ努力できるようにもなるということなのでしょう。
そして「感情をコントロールし、心身の健康をつくりだすための方法」は、次のようなものだそうです。
1)目的を明確にする。それは人に備わる、肯定的な潜在能力の力を用いて、身体的あるいは精神的に成長することだ
2)重要で前向きな変化を起こすためのアファーメーションの言葉を考え、それを毎日自分に言い聞かせる。その他に次のアファーメーションをする。「私の全存在は安定し、活力に満ち、健康です」
3)(空手の)型、またはヨガや気功、タイ式気功などの、ストレッチや体力トレーニングを含む身体的活動を習慣にする
4)型の後には必ず10分間の瞑想とイメージの視覚化を行う
5)各人が、心または体の中の癒したい場所を選ぶ
6)読書や文章を書くことと、議論によって知力を磨く
7)口にするすべての食べ物に意識を向け、とくに低脂肪で植物繊維の豊富な食べ物を摂るようにする
8)できるかぎり、他人に心を開き、愛と奉仕の気持ちで接する。しかしまた。あなた自身の感情的な欲求も大切にすること
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……「願う」だけでなく、運動も健康的な食事も瞑想も勉強も愛と奉仕もしているので、この方法を続けていくと、確かに「心身ともに健全に」なっていけそう(笑)。
中国のことわざに、「未来に咲く花はすべて、今日まく種の中に眠っている(そして雑草もまた同じ)。あなたはどちらの種に終日水をやり続けるのか?」というものがあるそうです。日々努力するなら、ぜひ美しい花を咲かせたいものです。
「潜在意識の使いこなし方」を教えてくれる本でした。ここで紹介した以外にも、多くの教えがありますので、何か目標(願い)がある方や、人間関係に悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。
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