『Sleep,Sleep,Sleep』2020/12/8
クリスティアン・ベネディクト (著)
眠っている間に何が起きているのかについて「今わかっていること」を集約して睡眠の知識を体系化、睡眠研究の最新知見をもとにした睡眠法を教えてくれる本です。
「1章 眠らないとどうなる?」には、睡眠の仕組みと重要性が解説されていました。その一部を紹介します。
「睡眠中に脳内では清掃プロセスが遂行され、廃棄物が大量に搬出される。睡眠を十分にとらず、そのために脳内のゴミが除去されないと、脳の老化が速まり、ダメージを受けやすくなる。」
さらに「2章 睡眠には「4ステージ」がある」では、睡眠には「浅い」「深い」「レム睡眠」のような様々な状態があり、その働きも違っていることが示されていました。
「ひとつのサイクルは概して90~120分の長さで、ステージ1と2(浅い睡眠)、ステージ3(深い睡眠)、ステージ4(レム睡眠)という4つの睡眠ステージからなる。」
第2ステージの浅い眠りは睡眠紡錘波が出る貴重な時間で、この時に「運動能力(体を使った仕事)が伸びる」そうです。
また第3ステージの深い眠りは、大脳皮質、視床、海馬の調和のとれたコミュニケーションの構築や、神経細胞のつながりの整理を行っているのだとか。
深い眠りも、浅い眠りも、レム睡眠もすべて必要なんですね……。
睡眠不足は、感染症にかかりやすくなる、肥満になる、認知症になるなど、身体や精神にさまざまな悪影響を及ぼすそうです。睡眠の大事さを、怖いほど痛感させられました。
それでは睡眠不足にならず、良い睡眠を得るようにするために、どうしたらいいの? という切実な疑問には、次のようなアドバイスがありました。
「朝のうちに外へ出て日光を浴び、明るいうちに運動し、夕食は少量にとどめ、夜はスマートフォンやコンピュータを遠ざけるなど、日中、起きている間に安定した睡眠・覚醒リズムに資する行動をとることで、夜ぐっすりと眠れるようになるのだ。」
「就寝前には暖房を弱めること、寝室の空気循環にも留意しよう」
……良い眠りのためには、十分な酸素も必要だそうです。
眠れなくて困っている方は、日中、「精神的にも身体的にも活動的である」ようにして、「寝室を暗くする」ことを心掛けるとよいようです。
睡眠中に何が起こっているのかなどの睡眠研究の最新情報をもとに、快眠するための方法を教えてくれる本でした。睡眠について詳しく知りたいと思っている方は、ぜひ読んでみてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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