『洋書:Pop up Cornwall(英語)』2020/4/17
Robert Crowther (著, イラスト)

 コーンウォール観光をぞんぶんに楽しめる素敵なしかけ絵本です。
 ブリテン島の南西の端にあり、ほとんどが海に面しているコーンウォール州は、ドラマチックな海岸線と豊かな文化で知られているそうです。
 イギリスの「モン・サン・ミッシェル」と言われている場所もあるようで、「干潮の時間帯には島と本土が陸続きになる島」なのだとか。
 その他にも奇妙なモニュメントのある不思議な庭園とか、世界最大といわれている温室とか、アーサー王伝説のある城跡とか、鉱山跡とか、魅力的な場所がたくさんあるようです。
 コーンウォールには行ったことがなかったのですが、この本の著者が『Ships: A Pop-Up Book』のRobert Crowtherさんだったので、仕掛けに期待ができそう……と思って購入してみました。想像していたよりは薄めの絵本で、飛び出す仕掛けもあまり大きくない感じで、仕掛け面では、ごく普通のレベルの絵本だったように思います。それでも、プルタブを引くと面白いことが起こるなど、ユーモアが感じられる楽しい絵本でした。
 素敵だと思ったのが、コーンウォール地方の観光情報。素晴らしい海の景色を楽しめるだけでなく、「モン・サン・ミッシェル」や歴史のある美しい港町、アーサー王伝説、不思議な庭園や温室、鉱山跡など、見ごたえのありそうな場所ばかり。気候も過ごしやすい、快適な場所のようです。多くの旅行者に人気があるのだとか。
 コーンウォールに行ったことのある方にとっては、旅の思い出をもう一度楽しめる素晴らしい絵本だと思います。行ったことのない人にとっても、行ってみたくなるような素敵な観光絵本でした。ぜひ眺めてみてください。
   *
・1~2ページ目:ページを開くと、中央上にイギリスの「モン・サン・ミッシェル」、St Michael’s Mountが立ち上がります。この島は、干潮の時間帯には島と本土が陸続きになるという特徴があり、この本でも島の手前の海の部分をめくると、海の底から石畳で舗装された道が出現します。右上にコーンウォールのイラストマップ、その下の海をめくると大型船が立ち上がります。
・3ページ目:Geevor and Tin Mining。ギーバー鉱山跡の風景。地面をめくると地下の鉱山の様子を見ることができます。右上に、Cornish Pasty(野菜入りパイ。めくるとパイの中身が見えます)
・4ページ目:Minack Theatre。海の岩場に造られた野外劇場風景。風景をめくると、野外劇場で演劇をしている一場面が立ち上がります。右側に観光情報。
・5~6ページ目:Eden。ページを開くと、世界中の植物を栽培しているバイオームの風景が大きく立ち上がります。ドームは気泡シートでできた巨大なボウルを伏せたような形になっていて、裏側を見ると、内部が大きな植物園になっているのが見えます(世界最大の温室と呼ばれているそうです)。
・7ページ目:Gardens。大きな庭園。右上に迷路のような庭(Glendurgan)。それをめくると池のある美しい庭が立ち上がります(Trebah)。下にはHeliganの観光ガイド(イラスト付き)。人間が横たわっているような、すごく変わった刈込(?)があるようです。
・8ページ目:Dramatic and Scenic。右上に美しい海辺の町Mousehole風景。それをめくるとPastow港の風景が立ち上がります。左下にStargazy Pie。パイをめくると魚が入っています。右下に美しい石造建造物のある風景(Tintagel)。この地に所在するティンタジェル城はアーサー王所縁の城という伝承があるそうです。めくると海にかかる橋が立ち上がります。
・9~10ページ目:Beaches and Harbours。左側は、St Ivesの美しい港の風景。中央上の邸宅のイラストをめくると、Barbara Hepworthの彫刻が立ち上がります。その右にお菓子のめくりしかけ。下にいるカップルの左のタブを引くと、男性が手に持っているポテトを海鳥が盗んでいきます(笑)。
 右側は、上にFalmouthの素敵な港風景。めくると帆船が立ち上がります。その右にCharlestownの難破船博物館のイラスト。めくるとダイバーが財宝を見つけている様子が見えます。下に船の風景。船の右のタブを引くと、船が進んでいって、小さなボートや鳥が見えます。
<Amazon商品リンク>