『イザ! というとき困らないための 親の介護と自分の老後ガイドブック』2020/10/2
岡本 典子 (著)

 親に介護が必要になったとき、どこに相談すればよいのか、そして、自分が老後を迎えるとき、どこでどのように暮らしたいか……予備知識として介護保険制度や高齢者施設・住宅のことを知っておきたい人のためのガイドブックで、内容は次の通りです。
第1章介護保険制度を押さえておこう(制度を理解/要介護認定など)
第2章在宅介護(訪問介護・看護/訪問リハビリ/通所介護/デイケア/介護3施設/地域密着型介護サービス/グループホーム/介護予防サービスなど)
第3章施設介護(ケアハウス/サ高住/有料老人ホーム/シルバーハウジング/シニア分譲マンション/施設選びのポイント/自立~終のすみかへなど)
第4章認知症(介護が必要になる原因/認知症の症状・種類・専門医など)
第5章親が入院・自分が入院(入院手続き・費用/医療ソーシャルワーカー/セカンドオピニオン/急性期病院からの退院・転院/高額療養費制度など)
第6章知っておきたい制度etc(.高額介護サービス費制度/ターミナルケア/グリーフケア/成年後見制度/遺言信託/介護休業・休暇制度など)
第7章介護・介護施設の費用(介護費用の平均/公的施設の月額費用/認知章グループホームの費用/前払金ナシの有料老人ホームは安い?など)
第8章老後の資金の再確認
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 介護とか老後とか、まだあまりピンとこない人にとっても、両方とも他人事ではありません。イザ! というとき困らないために、概要程度の知識はあった方がいいと思います。
 この本によると「介護が必要」と感じたら、市町村の担当課に要介護認定の申請を行うといいようですが、とりあえずその前に、居住地の「地域包括支援センター」に相談してみる方がいいのかもしれません。
「介護が必要になってきたら、居住地の「地域包括支援センター」に相談してみましょう。地域に暮らす要介護者やその家族の公的な相談窓口で、介護、福祉、健康、医療などの相談に応じてくれます。」
 介護サービスにはいろいろなものがあるようで、読んでみた感じでは、身体が不自由な高齢者になっても、それなりに安心して生活できるよう支援が受けられるんだなーと少し安心しました。
 例えば「通所介護(デイサービス)」については、次のような記述がありました。
「1週間に1~3回、デイサービスに行き、ランチや入浴、体操やゲームを楽しむことで社会との接点を保ち、刺激を受け、メリハリのある生活を維持できます。家族にとっては、入浴してきてくれるのは大変助かります。通所中に布団干し、シーツの選択、買い物などの家事ができ、ほっと一息、自分の時間を作れます。また、体調の変化や認知症の進捗具合を複数の介護のプロにチェックしてもらえるので安心です。デイサービスは、要介護者、家族双方にとって大きな支えとなります。」
 ……なるほど。デイサービスを利用すると、介護される方にも、する方にもメリットがあるんですね!
 また「介護費用の平均」の情報についても、次のように書いてありました。
「公益財団法人生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(平成30年度)」によると、2人以上世帯を対象とした調査で、介護を行った期間は平均54.5か月(4年6か月半)、介護に要した費用(公的介護保険サービス自己負担分を含む)は、住宅改修や介護用ベッドの購入などの一時費用の合計が平均69万円、月額費用が平均7.8万円でした。これを基に介護にかかった費用を計算すると、総額は494.1万円となります。」
 これはあくまでも平成30年度の平均で、介護費用は介護者の状態や施設によっても大きく変わるようですが、普通の人が老後に必要になる費用の見積もりをするための参考になると思います。
 この他にも、入院の時に準備すべきものの情報や、施設や制度に関する情報など、総合的に教えてもらえるので、まさに『イザ! というとき困らないための 親の介護と自分の老後ガイドブック』で、とても参考になりました。ぜひ読んでみてください。(ただし「介護保険制度は3年ごとに改正される」そうなので、まだ介護や老後の計画が必要になるのは遠い先だと考えている方は、なんとなく「現実感」が出てきた時に、同じような本の最新版を読む方がいいと思います。)
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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