『和書:きょうりゅうはくぶつかん』2020/1/30
マイク ラブ ビアトリス ブルー (イラスト), Jenny Jacoby (原著), & 4 その他

『洋書:Build Your Own Dinosaur Museum (Lonely Planet Kids) (英語)』2018/10/1
Lonely Planet Kids (著), Jenny Jacoby (著), & 1 その他

 自分で恐竜博物館を作って学べる素敵なしかけ絵本です。
 正直に言ってこの絵本、書店では中があまり見えないようになっていたので、「作って学べる絵本」とは言っても、恐竜の仕掛けが作れるのは、たぶん1ページか2ページ分なんだろうなと軽く考えて、購入してからも、しばらく放置しちゃっていました(汗)。
 少し時間ができたので、ようやく開いてみたら……え? 化石の箱?
 表紙のすぐ裏に、化石の入った箱をイメージした折り込みがあったのです。折り込みの中身は、この本の仕掛けに使う部品の組み立て方説明書と部品の台紙! うわー、博物館に送られてきた化石を組み立てて展示しましょう、ってことなんだ!
 ……ってことで、がぜんテンションMAX(笑)。工作好きやジグソーパズル好きの方には分かると思いますが、化石の掘り出しや組み立てって、一度はやってみたいことですよね? この本では、なんとその夢が実現してしまうのです(笑)。
 しかも、組み立てた化石を「絵本の博物館の中で展示」できるという、まさに夢のような「しかけ絵本」なのでした。
 組み立てる対象の化石は、トリケラトプス、ステゴサウルス、ティラノサウルス、リオプレウロドンとプテラノドンの5つ。どれもあまり大きくはなく、組み立て方も難しくはありません。しかも部品がばらばらになっても困らないよう、部品一つ一つにラベルがついていますし、組み立てやすいよう、差し込み部分には色がついています。切れ目も入っているので、はさみものりも必要ありません。
 工作を楽しめて、組み立てた恐竜化石を博物館の展示場(に見立てたページ)に差し込んで飾って博物館の職員になった気分を味わえて、しかも解説を読んで恐竜の知識も学べる……一冊で何度でも楽しめてしまう素敵な絵本なのでした☆
 と言うことで、だんぜんお勧め絵本ではあるのですが……とても残念なことが一つ。「せかいの どこに?」の恐竜生息地図の「日本」がデタラメな形である上に、日本には恐竜がいなかったことになっているのです。まあ、恐竜がたくさん発掘されている中国すら、ビロノサウルスしか書いてないので、しょうがないのかもしれませんが、あまりにも欧米に偏った地図なのでした……。
 ということで、正しい知識が学べるかどうか疑わしい部分がありましたが、とにかく「博物館の学芸員になった気分」を楽しめる素晴らしい絵本なので、お子さんと一緒にぜひ作ってみてください☆
   *
(なお、以下の(しかけなし)は、組み立てる仕掛けがないページであることを意味しています。)
・裏表紙:「化石の入った箱」をイメージした折り込み。この本の仕掛けに使う部品の組み立て方説明書(表裏で合計5ページ)と部品の台紙(両面印刷で合計5枚)。恐竜博物館の入り口左側(化石ハンターたちの肖像画など)(しかけなし)。
・1ページ目:恐竜博物館の入り口右側(恐竜博物館の案内図)(しかけなし)。
・2~3ページ目:きょうりゅうって? 恐竜の化石のイラストや解説(しかけなし)。
・4~5ページ目:トリケラトプス。トリケラトプスのイラストや解説と、化石の飛び出すしかけ(自分で組み立てます)
・6~7ページ目:まもる きょうりゅう。恐竜たちが身を守る方法のイラストや解説(しかけなし)。
・8~9ページ目:ステゴサウルス。ステゴサウルスのイラストや解説と、化石の飛び出すしかけ(自分で組み立てます)。
・10~11ページ目:しょくぶつしょくの ものたち。草食恐竜のイラストや解説と、歯などの差し込むしかけ(自分で組み立てます)。
・12~13ページ目:ティラノサウルス。ティラノサウルスのイラストや解説と、化石の飛び出すしかけ(自分で組み立てます)。
・14~15ページ目:おそう きょうりゅう。肉食恐竜のイラストや解説と、爪などの差し込むしかけ(自分で組み立てます)。
・16~17ページ目:うみに すむ はちゅうるい。海の恐竜のイラストや解説と、リオプレウロドンの化石の飛び出すしかけ(自分で組み立てます)
・18~19ページ目:そらを とぶ はちゅうるい。空の恐竜のイラストや解説と、プテラノドンの化石の飛び出すしかけ(自分で組み立てます)
・20ページ目:せかいの どこに? 世界のどこに恐竜がいたのかの地図(しかけなし)。
・21ページ目:いまは、もう…… 恐竜が絶滅したことのイラスト解説(しかけなし)。
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