『プロだけが知っている! 中古住宅の選び方・買い方』2014/4/18
高橋正典 (著)

 不動産のプロが、得する中古住宅の選び方・買い方を総合的に解説してくれる本で、内容は次の通りです。
プロローグ プロだけが知っている「お宝物件」
第1章 中古住宅を買ってから後悔する理由・ワースト5
第2章 知らないと損する「不動産の価格」のカラクリ
第3章 狙える価格帯がわかる「住宅ローン」の仕組み
第4章 プロを味方につける「不動産会社」選び
第5章 磨けば光る「お宝物件」の見つけ方
第6章 ムダな出費を抑える「価格交渉」術
第7章 もれなく「住宅ローン減税」を受ける方法
第8章 中古住宅を楽しむ「リフォーム」のイロハ
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 中古住宅(戸建て・マンション)の購入を考えている人にとって、とても参考になる情報を総合的に分かりやすく教えてくれる本だと思います。
 ちなみに「中古住宅を買ってから後悔する理由・ワースト5」は次の通り。
後悔理由1)住んでみたら欠陥住宅だった。
後悔理由2)不動産会社やリフォーム会社がいい加減だった
後悔理由3)期待していた住環境と違った
後悔理由4)リフォームとメンテナンスに費用と時間がかかった
後悔理由5)保証・アフターサービスがなかった
 ……うーん、ありがちなものばかりです。もちろん、この本には「どうすればいいか」も、ちゃんと書いてありました。例えば、「住んでみたら欠陥住宅だった」には、購入前に、「インスペクションする」ことや、「瑕疵保険を使う」ことを勧めてくれます。
 この「インスペクション」とは、中古住宅の劣化の状況や欠陥の有無などを専門家の手によって購入前に確認できるサービスなのだとか。屋根、外壁、室内、小屋裏、床下などの劣化状態を目視で診断してくれて、所要時間は2~3時間(費用は5~10万円)。(機材を使って行う詳細診断もある(別料金)。)
 買う前に「インスペクション」できるなら、中古住宅でも、それなりに安心して購入できると思いました。インスペクションの結果が悪くて購入をやめるということになると、残念ながら検査費用は無駄になってしまいますが、高額な費用をかけて欠陥住宅を買うよりは、ずっとマシだと思いますし、少なくとも中古住宅に関する「経験値」を積むことができるのではないでしょうか。
 なお、買主としてのインスペクションのメリットは、次のようなものがあるそうです
・住宅に問題がないかを専門家がチェックすることで、安心して購入・居住可
・欠陥住宅、買ってはいけない住宅をつかむリスクを避ける
・いつ、どこに、どのくらいの費用でメンテすればいいかの見積もりができる
・住宅の修繕箇所・改善点などを売主に根拠を持って知らせられる
・中立な立場で公正な診断を行うことで、売主との関係を損ねず、対応・説明を求められる
・住宅の構造、設備など本質的性能がわかる
・買主・住まい手の立場から見た報告やアドバイスを受けられる
・ホームインスペクションの報告書を、住宅の資産価値を保つための「家の履歴書」として残すことができる
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 もしも中古住宅を購入する気持ちになったら、買う前に「インスペクション」をしたいなと思いました(そもそも住宅を買う予定は、今のところないのですが……(汗)将来に備えるために、一応、読んでみたのです)。
 その他にも、お宝物件の見つけ方、値引き交渉の仕方、リフォーム会社の選び方など、参考になる情報がたくさん。近い将来、住宅の購入を考えている方は、ぜひ読んでみてください。
 なお、この本には、売り方にも着目した、より新しい2019/9/20の『【決定版】プロだけが知っている! 中古住宅の買い方と売り方』もありますので、以下の商品リンクでは両方を紹介しています。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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