『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』2018/10/18
中野ジェームズ修一 (著), 田畑尚吾 (監修)

 健康診断に引っかかり、医師から「運動しましょう」と言われた時に、最初に何をすべきかをアドバイスしてくれる本です。
 血糖、血圧、中性脂肪が高めで気になる人や、肥満、肩こり、腰痛、膝痛を解消したい人のために、血糖値を下げる5分間エクササイズや、膝・肩・腰の痛みをとるストレッチなど、今すぐやるべきことが紹介されています。次の11の症状別に、適した運動方法(エクササイズ)をイラストなどで具体的に紹介してくれるのです。
1)糖尿病
(症状)血液中のブドウ糖の濃度が上がり、血管にダメージを与え、合併症を引き起こす
(運動)有酸素運動(ウォーキングやジョギング、サイクリングなど)と筋力トレーニングが有効
2)メタボリックシンドローム
(症状)内臓脂肪がたまり、高血圧や脂質異常、高血糖を引き起こす
(運動)筋トレで脂肪を燃焼しやすくしてから有酸素運動を!
3)高血圧
(症状)血圧が高くなり、動脈硬化の原因になる
(運動)有酸素運動、自重筋トレ
4)脂質異常症
(症状)血液中の中性脂肪やコレステロールの濃度が異常値に
(運動)有酸素運動や筋トレ
5)肩こり
(症状)肩や首の周辺の筋肉に痛みや張り、コリが生じる
(運動)動的ストレッチで血行をよくする
6)腰痛
(症状)腰に痛みや炎症がある
(運動)静的ストレッチ、ウォーキングなど
7)変形性膝関節症
(症状)負担の蓄積により膝関節に痛みが生じる
(運動)膝の周りの筋肉を鍛えて負担を減らす
8)ロコモティブシンドローム
(症状)足腰が衰え、自分の力で日常生活が送れなくなる
(運動)予防のために主に下半身を鍛えるエクササイズ
9)骨粗鬆症
(症状)骨がもろくなり骨折しやすくなる
(運動)予防として主に骨に刺激を与えるウォーキングなど
10)慢性疲労
(症状)寝ても疲れが抜けない。疲れているはずなのに眠れない。
(運動)楽しいと思う運動で気分転換する。また寝る前に緊張を取るエクササイズ(漸進的筋弛緩法など)をやる
11)抑うつ状態
(症状)気分が落ち込み、心身が不活発になり、「うつ病」の一歩手前になる
(運動)義務ではなく、心から楽しめる、達成感のある運動をやる

 この本は、お医者さんから「運動をしなさい」とアドバイスされるような人を対象としている本なので、一般の人にとっては簡単すぎでは? と感じてしまうような軽い運動が中心です。普段運動しない方がほとんどだと思いますので、自分に合うと感じるものを、無理のない範囲で少しずつ行っていくと良いと思います。
 後半には、「久しぶりに運動をする人」向けのアドバイスや、食事のアドバイスなどもあります。
 久しぶりに運動をする人にお勧めなのは、ランニングや階段の上り下り、ウォーキングだそうですが、これらは自分のペースで強度を変えられるので、いろいろな症状の方に適しているのではないでしょうか。どれも日常的な動作なので、少なくとも害はないと思います。スポーツやトレーニングで体を動かすと、自律神経の働きも整えられるのだそうです。
 また食事に関しては、「第8章 トレーナーが実践する1日14品目食事術」の中で、1日14品目(穀類、豆・豆製品、魚介類、肉類、牛乳・乳製品、卵、果物、海藻類、きのこ類、芋類、 緑黄色野菜、淡色野菜、油脂、嗜好品)を取ると良いというアドバイスがありました。
「適切な栄養補給と適度な運動は体づくりの基本だと言えるでしょう。」……本当に、そうですね☆
 医師に「運動しなさい」と言われたけど、実際に何をやったらいいのか分からない……運動が続けられない……と悩んでいる方はぜひ読んでみてください。
<Amazon商品リンク>