『はじめてでもよくわかる!図面の読み方』2019/10/30
コンデックス情報研究所 (編集), 飯島 晃良 (著)

 社会人になってはじめて図面を見る人でもスラスラ読めるように、大学1年生向けに機械設計製図講義を行う著者が、図面の読み方をやさしく解説してくれる本で、内容は以下の通りです。
第1章 図面の基本
第2章 ものの形状の表し方
第3章 断面図の種類と読み方
第4章 図面を合理的にする描き方
第5章 寸法記入で図形が図面になる
第6章 表面粗さの読み取り方
第7章 公差の読み取り方
第8章 材料記号を読み取る
第9章 具体的な機械要素図面の読み方
第10章 実践!機械製図
 工作が好きなので、設計図のようなものはよく見るのですが、「図面の正しい書き方」を知らないまま、なんとなく眺めているだけだったことに気づき、この本を読んでみることにしました。
 自分で紙工作を作るときにイメージ図みたいな感覚で結構ラフに書く設計図(?)と違って、工業製品として製造するための「機械設計製図」は、書き方がとてもきっちり決まっていて、図面を見ただけで、その製品の側面が丸いのか平面なのか、板の厚みがどれぐらいあって、表面仕上げが、どの程度つるつるしているのかまで分かることに驚きました(汗)。
 なかでも参考になったのは、「線」について。線の種類には四種類(実線、破線、一点鎖線、二点鎖線)あり、太さは三種類(細線0.3mm、太線0.7mm、極太線1.4mm)、そして「用途に応じた線の使い方」は、次のように決まっているとか。
1)外形線:太い実線
2)寸法線:細い実線
3)寸法補助線:細い実線
4)引出線:細い実線
5)中心線:細い一点鎖線
6)ピッチ線:細い一点鎖線
7)特殊指定線:太い一点鎖線
8)かくれ線:細い破線、太い破線
9)破断線:不規則な波形の細い実線、ジグザグ線
10)想像線:細い二点鎖線
11)切断線:細い一点鎖線で端部と角を太くする
12)ハッチング:細い実線を斜めに規則的に並べる
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 ……なるほど。ところで、折り紙の場合は、線の使い方にある程度統一的な決まりがあるようですが、ペーパークラフトの場合は、山折り線と谷折り線の書き方にも、あまり統一的な決まりがないようなので、このような図面の書き方を読むと、何か参考になるのでは? と期待したのですが、残念ながら、これらの図面用の線のルールも、山折り線と谷折り線の書き方を決めてはいないようでした。
 それでも、「図面をじっくり見ると、いろんな情報を正しく読み取れる」ことを知ることができて、いろいろな意味でとても参考になりました。機械などの「図面の読み方」を知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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