『和書:ゆうれいホテル (とびだししかけえほん)』1997/1/1
アンティジェ フォン・ステム (著), Von Stemm,Antje (原著), & 1 その他

 絶対に泊まりたくない魔物たちが運営する「ゆうれいホテル」のしかけ絵本です。
 とっても怖いホラーしかけ絵本ですが、表紙のイラストでも分かるように、結構ユーモラスな感じもする化け物ばかりなので、怖がりな人も楽しめると思います(たぶん……)。
 それほど大型ではない縦長の絵本ですが、中には工夫を凝らしたユーモラスな仕掛けが満載☆ 一見、気がつかないような場所にも、めくり仕掛けがたくさんあって、「あっ、こんなとこに!」と、気がつくと嬉しくなります(中には変なものしか、いませんが……)。でも、これらの小さいめくり仕掛けは、ちょっとめくりにくいです(汗)。
 それでも、この本は、とっても面白くて楽しいです☆ ぐらぐら揺れる絵や、モップで綺麗に拭いていくと、中にいるモンスターが見えてくる仕掛けなど、他ではあまり見ないような珍しい仕掛けもたくさんあって、しかけ技法に興味がある方にとっても、参考になると思います。
 また内容にもいろんな工夫が。ホテルのフロントに置いてある「優待券」には、「人殺し広場でのライブショー。ゾンビの演奏で身の毛もよだちます」なんて書いてあります(泣)。「メニュー」を見ても背筋が凍ります(ギャー!)
 ホラー系しかけ絵本なのに、すごく楽しめる絵本です☆ 大きさも価格も、しかけ絵本としては手ごろ(2200円+税)で、お勧めです。
   *
・1~2ページ目:ページを開くと、透明人間の受付係が宿帳を立体的に差し出してきます(透明な手に羽ペンが握られています)。右下のポケットに妙なメニューや優待券が3枚。フロントの後ろの棚にぐらぐら引っかかって揺れている絵の裏には、ダイヤル式金庫が(開くと中に……ど、泥棒ネズミ!)。壁の棚の一部の扉が開いて、中には……(扉、本、手紙、箱の4か所がめくれます)。
・3~4ページ目:案内された部屋には、棺桶ベッドが置いてあり、化け物メイドさんが二人いて、掃除をしています。右わきのつまみを引くと蛇が出てきて、メイドさんがモップで鏡をこすると、中にはモンスターたちが……。棺桶を開くと、中から骸骨がむくっと起き上がってきます。開かずの扉を開くと、また扉があり、その中には掃除に疲れた(?)掃除で片付けられた、あるいは逃げた(?)モンスターたちが(笑)。部屋のあちこちにある扉をめくると、中には不思議なものが……(9か所めくれます)
・5~6ページ目:レストランに行くと、骸骨たちが食事中(飛び出すしかけ)。壁の絵を上下にまわすと違う顔に!(逆さ絵)。骸骨たちの上着の裏やポケットには妙な生き物が……。そして……君たち、いったい何食べてんの(うへぇ……)。
・7~8ページ目:ページを開くと、スタッフのフランケンシュタインが口をぱくぱくさせながら飛び出してきます。顔の中を通る赤い紐に、妙なものがたくさんぶら下がっています。右上のつまみを引くと、窓に雷がジグザグ光ります。ひみつノートを開くと、とぐろを巻いた蛇が飛び出してきます。
・9~10ページ目:宴会場では魔物や怪物たちのパーティー! ページを開くと大勢の魔物たちが、楽し気にどっと飛び出してきます(幽霊がふらついて浮いています)。テーブルの上では変なものが蠢いています。左上の床扉を開けると、下からも怪しげなものが……。
<Amazon商品リンク>