『まるまる推理パズル』2013/7/10
ニコリ (著, 編集)

 いくつかのヒントを手がかりに、すべてを明らかにする推理パズルです。この推理パズルは論理パズルの一種だと思いますが、ただの論理パズルではなく、推理力が必要とされます。
 論理パズルというのは、「マッチング問題(複数カテゴリーの組み合わせをあれこれ考えるタイプの問題)」で、そこで与えられる情報はすべて真実というのが前提になっています。つまり問題から考えられる組み合わせ表を作って、それに○と×をつけながら解いていくのですが、この組み合わせ表を作るのが、単純作業ながらも意外に面倒くさいのです(汗)。また複雑な問題になると、この組み合わせ表を作ること自体が、意外と難しいことがあります。
 ところがこの本では、ありがたいことに、この○×のマトリックス表がすでにページに書いてあります☆ だから後は問題をよく読んで、○と×を書きこみながらで謎を解いていくだけ、という一番楽しい部分だけをやればいいのです☆
 そして、これは「推理パズル」です。与えられた問題の文章に書いていないことも、推理して、表に書きこんでいく必要があるのです。さすがはニコリのパズル、よく出来ています。
 たとえば問題に、「10冊の本のうち、本Aを読んだのは、本Bより後だった」と書いてあったら、その情報だけでなく、「本Aは最初に読んだ本ではない」「本Bは最後に読んだ本ではない」ということも推理しなければ、解答にたどり着けないのです。もちろんこんな単純なものだけでなく、多数の文章から推理できることを組み合わせて見つけ出さなければならないので、とても大変なのですが、「あ、そうか!」とひらめいた時には、名探偵気分がちょっぴり味わえます。
 問題数は全部で74問あり、推理を楽しめる「E(やさしい)」、達成感が感じられる「M(ふつう)」、脳みそを絞りつくす「H(難しい!)」と段階ごとに難しくなっていきます。「M」レベルから先は、解答まで十数分から数十分かかると思いますので、気分転換には向きませんが、暇つぶしと頭の体操にはなると思います(笑)。
 このパズルは、推理力が試されますので、パズル好きだけでなく、推理小説好きの方も楽しめるのではないでしょうか。
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