『何を捨て何を残すかで人生は決まる』2016/4/2
本田 直之 (著)
自分らしく自由に生きるための唯一の方法、「持たない生き方」を教えてくれる本です。
「持たない生き方とは、持ち物を減らす断捨離やミニマリズム、シンプルライフなどといった暮らしのスタイルやノウハウではありません。大事なのは、物を減らすことではなく、自分にとって必要なモノを見極め、それを選び取り、見た目ではない豊かさを手に入れること。つまり、自ら考え、選択し、幸せに、自由に暮らしていく生き方の提案、それが持たない生き方です。」なのだとか。
この本の真髄は、この「持たない生き方」に至る考え方を教えてくれるところ。ミニマリストの本ではないので、「持つこと」が自分の価値観の一つならば、モノをたくさん持っていても構わないのです。高価なものを欲しがること自体は、別に悪いことだと言ってはいません。ただし、高価なものを「自慢するために持つ」のは、無意味だからやめた方がいいと言ってはいますが……。
個人的には根っからの草食系で、高価なものを欲しいと思ったことはあまりありません。でもミニマリストほど「持たない覚悟」もありません。なぜなら趣味が多いから(汗)。読書も工作も美術も音楽も、そして運動も好き……工作や美術が好きで、道具や材料を持たないヤツはいないし、音楽も運動も練習のために楽器や道具が必要なのです(汗、汗)。
でもこの本で言っている「持たない生き方」なら出来そうだし、「自分を自由に」してくれる考え方のように思えました。
個人的に参考になったのは、「第3章 「必要以上のつながり」を持たない」の次の文章。
「何かトラブルが起きたら、自分のこととして捉えず、「トラブルを抱えた人から相談を受けている」と考えるよう勧めています。一歩引いてみることで、問題の本質が見えてくるものです。」
……なるほど。実際に「トラブルに陥っている」時に、そんな気持ちになれるかどうかは分かりませんが、「他人の視点」から自分の状況を眺めてみることは、自分を冷静にさせるのに役に立つことは間違いないでしょう。
また「第5章 「振り回されるほどのお金」を持たない」では、自分の人生の自由度を高めるために、次の2つのことを勧めています。
1)右肩あがりではなく、「右肩さがり」のライフプランを立てておく。将来的に収入が減っていくことを想定し、受け取っている給料の2割を最初から自己投資の資金として天引きしてしまう。
2)毎月の生活費を半分にして生活にしてみるというトレーニングをする。
……普通レベルの給料はあるはずなのに、何故だか、お金が貯まらないなーと不思議に思っている方は、これを試してみてはいかがでしょうか。
その他にも、物を溜め込まない仕組みとしての、「リデュース(物を減らす)、リセット(常にルーティンを壊す勇気を持つ)、リビルド(自分のライフスタイルを定期的に見直し作り直す)」など、参考になる情報がたくさんありました。仕事や人間関係を抱え込みすぎて、「息苦しさ」を感じている方は、ぜひ読んでみてください。自分らしく自由に生きるために何をしたらいいのか、ヒントをつかめるかもしれません。
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