『和書:ハヌカーのあかり (とびだししかけえほん)』2012/9/1
マイケル・J. ローゼン (著), ロバート サブダ (著), Michael J. Rosen (原著), & 2 その他

『洋書:Chanukah Lights(英語)』2011/9/27
Michael J. Rosen (著), Robert Sabuda (イラスト)

ユダヤ教の祭り「ハヌカー」をテーマにした豪華な大型しかけ絵本です。
ハヌカーというのは、毎年12月に行われる、ユダヤ教を信じる人たちのお祭りだそうです。お祭りの8日間、9本枝(1本は種火用)の燭台のろうそくが毎夜1本ずつ灯されていきます。この習わしは、紀元前2世紀にエルサレム神殿を異教徒から取り戻したとき、穢された神殿を清める際に、1日分しかなかった清めのランプの油が8日間燃えつづけたという言い伝えにもとづくものなのだとか。
私はユダヤ教徒ではないのですが、この絵本は、しかけ絵本の第一人者のサブダさんが手がけた「白い絵本」で、とても見応えがあるので、つい購入してしまいました(笑)。
いつもの白い絵本と同じように、背景にはパステルカラーのカラフルなグラデーション、飛び出す大きな仕掛けは画用紙のような白い厚紙で、複雑な構造物が大きく立ち上がります。
どの仕掛けにも、あまり宗教っぽさは感じられないのですが、よく見るとページのどこかに「ハヌカーのあかり」が灯されていて、ページが進むとともに、炎の数が一個ずつ増えていきます。けっこう小さいので、探す楽しみもあります(笑)。
各ページから飛び出してくるものも、神殿や野営地のテント、大型帆船、農場など、バラエティに富んでいます。
そして最終ページだけは、それまで白かった構造物にパステルカラーのカラフルな色が加えられていて、夜空にビルの摩天楼が高く立ち上がり、華やかな祭りの最終場面になります。

・1~2ページ目:ハヌカーの祭りの最初の夜。ページを開くと、白いエルサレムの神殿が大きく飛び出してきます。神殿の奥では、2つの炎が燃えています。
・3~4ページ目:ハヌカーの祭りの第2夜。ページを開くと、夜空に三日月が光る砂漠の野営地に、白い大型テントが広がります。テントの柱の間から3つの炎が見えます。馬がそっと首を動かします。
・5~6ページ目:ハヌカーの祭りの第3夜。ページを開くと、白い大型帆船(新大陸アメリカへの移民船)が大きく立ち上がります。船室の窓に4つの炎が煌めきます。
・7~8ページ目:ハヌカーの祭りの第4夜。ページを開くと、アメリカのユダヤ人入植地の白い大邸宅(屋根に小さなサルがいます)が大きく飛び出します。大邸宅の窓から5つの炎が見えます。背景の風車が回ります。
・9~10ページ目:ハヌカーの祭りの第5夜。ページを開くと、壮麗な白い教会(シナゴーグ)を中心としたロシアのユダヤ村が大きく立ち上がります。隅の小さな家の窓に6つの炎が見えます。
・11~12ページ目:ハヌカーの祭りの第6夜。ページを開くと、物売りの馬車が行きかう白いアパートが立ち上がります。窓の一つに7つの炎が見えます。
・13~14ページ目:ハヌカーの祭りの第7夜。ページを開くと、イスラエルのユダヤ農場(キブツ)が大きく広がります。家の窓に8つの炎が見えます。
・15~16ページ目:ハヌカーの祭りの最後の夜。ページを開くと、カラフルな摩天楼が高く立ち上がります。夜空に星が輝き、高層ビルの上には9つの明かりが煌めきます。
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