『この問題、とけますか?』2017/2/11
吉田 敬一 (著) )
ひらめき、論理、数字……頭をフル回転させて、古今東西の傑作パズルを楽しむことが出来る本です。
例えば1問目(の概要)は、こんな感じ。
「ガラスでつくられた球の両側に直径1㎝ほどの穴が開いていて、穴と穴の間は七曲りに曲がった空洞が通っている。その球に糸を通せ」
これは和歌山県のとある神社に関係のある問題のようですが……パズル好きなら、神社の逸話を知らなくても答えはすぐに分かりますよね?(参考までに、答えは記事の最後に書いておきますので、分からなかった方はご覧ください)
こんな感じの「ひらめき」で解く問題から、数学で答えられる問題、論理的に考えなければならない問題など、さまざまな問題が、全部で73問出題されていきます。かなりの難問もありましたが、だいたいの問題は、そんなに時間もかからずに解けました。古典的な名作パズルが多かったので、解き方の道筋を知っていたせいもあるかもしれませんが、著者の吉田さんが苦労して「適度な難易度」を設定してくれたことが大きかったように思います。
というのも吉田さんは、以前に出した『大人のための名作パズル(2009)』で、「ちょっと難しすぎる」という指摘をたくさん受けたそうで、この本では、30代から60代の女性など数人に下読み&感想をお願いしたそうです。おそらくそのせいで、本当に「適度な難易度」になったのでしょう。少なくとも私(パズル好き)にとっては、難しすぎる!と感じる問題はそれほどありませんでしたし、反則でしょ!と怒りを感じるような問題もありませんでした。
問題のバラエティにも富んでいて、解いていると、「うーん、やっぱ私って天才かー」という爽快感がありました(笑)。ま、なかなか解けなくて、答えを先に見ちゃったのも、あったんですけどね……(汗)。
もちろん全問に解答&解説があり、解けなかったものも、解説を読むと「解き方の道筋」を知ることが出来て、勉強になります☆ 3問目の「Uボートの出航日を見破るには?」という問題は、スパイ小説みたいな、わくわく感がありました(この問題と答えは、ぜひ本書を読んで確かめてください)。
文庫本なので、移動中でも手軽に楽しむことも出来ると思います……が、難易度の高い問題や数字問題の場合は、メモ帳&ペンが必要になると思われるので、ご注意を。
とても楽しめる名作パズルの本でした。お勧めです☆
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(※ここから先は、ネタバレを含みますので、解答を知りたくない方は読み飛ばしてください)
「球に糸を通す方法」の答え:蟻をうまく誘う(身体に糸を縛った蟻を歩かせて糸を通す)。和歌山県伊都郡かつらぎ町にある「蟻通神社」の逸話だそうです。