『美しい鉱物―レアメタルから宝石まで鉱物の基本がわかる! (学研の図鑑)』2013/3/1
松原 聰 (監修)

美しい鉱物のコンパクトな図鑑です。「レアメタルから宝石まで鉱物の基本がわかる!」という副題の通りに、「鉱物とは何か」の基本から、写真による鉱物のかなり詳しい解説(図鑑)、鉱物用語集など、鉱物の入門書的な知識も充実しています。
鉱物の図鑑部分は、「1 形が不思議な鉱物」で、砂漠の薔薇、黄鉄鉱などが紹介され、「2 色彩が美しい鉱物」では、蛍石やアレキサンドライトなどが、「3 レアメタルが採れる鉱物」では、リチウム、チタンなどが、「4 宝石・貴金属になる鉱物」では、ダイヤモンド、トパーズなどが、大きな写真入りで解説してもらえます(各1~2ページ)。
砂漠の薔薇って、「石膏などの結晶が花弁状に集合したもの」を言うんですね。「砂漠のオアシスや湖には、塩分以外にも多くのミネラル成分が溶けている。そのオアシスや湖が干上がるとき、水が蒸発して結晶が成長する。水に硫酸カルシウムが多ければ石膏の、硫酸バリウムが多ければ重晶石の「砂漠の薔薇」が生まれる」のだそうです。ロマンチックで素敵な名前・形の石だと思っていましたが、石膏などが花弁状になったものだったんですか、意外でした。……こんな感じで、各鉱物の紹介があります(ここで紹介したのは一部の抜粋で、実際にはもっと長い解説です。化学組成などのデータもあります)。
そして、「5 厳選!鉱物早見図鑑」では、約180種の代表的な鉱物を、写真と短い解説で見ることが出来ます。ページあたり5~6個の鉱物(見開きページで10~12個)が並べてあるのですが、これがもの凄く美しい☆ まるで、お菓子箱に入っている小さな鉱物見本たちみたい! 子どもの頃、箱入りの鉱物見本(実物)が売られているのを見て、凄く欲しかった記憶がありますが、高価で手が出せませんでした(汗)。大人になった今でも、やっぱり憧れてしまいますが、石は重いし、これがあったところで何になるの?という現実(汗)から買わずにいました。でも……書店でこの本を見て、うわー! 本の形の鉱物見本だ! と大興奮。しかもなんと552円+税という超低価格。綺麗なフルカラー図鑑なのに、この値段なのは信じられず、思わず二度見してしまったほど……安過ぎです(笑)。
鉱物への入門書(図鑑)としてはもちろん、眺めるだけでも美しくて癒されるので、ぜひ読んでみてください。だんぜんお勧めです☆