『大人もハマる算数』2013/7/19
後藤卓也 (著)

『大人もハマる算数』の本です(笑)。
要するに小学校高学年の算数を総復習できるような算数問題の本なのですが、大人の算数パズルとしても、とても楽しめます。
「1章 虫食い算を解く」、「2章 和差算を解く」、「3章 角度の問題を解く」、「4章 ツルカメ算を解く」、「5章 魔方陣を作る」、「6章 「場合の数」を解く」、「7章 立体図形問題を解く」、「8章 「マトリックス論理パズル」を解く」、「9章 立体図形の体積を求める」、「10章 「こよみ算」を解く」「11章 パズル的な図形問題を解く」、「12章 和と差の文章題を解く」の全12章で、さまざまな種類の小学校レベルの算数問題が、難易度順に収録されています。やさしい問題からだんだん難しくなっていくので、脳トレ(パズル)感覚で、小学校レベルの算数の復習が出来ます。
この問題集は、「解説」がとても充実しています(全問に答と解説あり)。後藤さんは中学受験専門の塾の講師をしているので、答えの解説がすごく詳しくて、「解き方のコツ」をつかむことが出来ました。小学校時代、算数の勉強をあまりしてこなかった私ですが(汗)、この本を読んで、「なるほど、こうやって解くと間違えずに解答できるんだ」と納得できる解説がたくさんありました。
例えば、ツルカメ算は、面積図で考えることが出来るとか、おつりの計算の硬貨の組み合わせを「頂点書き込み式」で考えるとか……「数式」だけではなく「図形」的に考えるという解法は、特に「ややこしくて面倒」な問題を、間違えずに解くのに役に立ちそう。
そして私が最も苦手とする「サイコロ転がし問題」は、1回ごとの俯瞰図を書くとか、3方向から穴があけられた立体の体積を計算するときには、1段ずつ状態を描いてみるとか……面倒くさがらずに、細かく、じっくり一つ一つ確認することが大事なんですね……。
ところで、この問題集、小学校レベルの算数問題ばかりではありますが、レベル4の問題はかなり「面倒な」問題が多くて、実際にテストで出題されたら、絶対に「後回し」にしてしまう問題ばかり! 紙と鉛筆を準備して、じっくり解きましょう。
すごく勉強(復習)になった算数問題集でした。……が、読み進める興味を維持するためか、全体は、「小学4年生の啓太くんが進学塾に入塾してから5年生に進級するまでの、恋あり涙ありの12カ月のあゆみ」物語という形式になっています。算数パズル目的で読んでいたので、個人的には、この部分はいらなかったな、と感じました(汗)。
それでも「中学受験の学習塾」では、ツルカメ算などの解き方を、どのように教えているのかを具体的に知ることが出来て、学習塾にほとんど通ったことのなかった私にとっては、とても参考になりました。お子さんに「この問題、どうやって解けばいいの?」と聞かれた時に、ちょっと困ってしまうお父さん・お母さん・お祖父さん・お祖母さんは、ぜひ読んでみてください。この本の解説のように教えることが出来るようになると、お子さんから「すごーい」と尊敬されると思います。残念ながら(幸い?)、その後、お子さんに質問されなかったとしても、少なくとも「脳トレ」にはなるので、読んで無駄になることはないと思います。