『まんがでわかる 伝え方が9割』2017/1/27
佐々木 圭一 (著), 星井 博文 (その他), 大舞 キリコ (その他)

ベストセラーとなった「伝える技術」の本『伝え方が9割』を、漫画で楽しく学べる本です。
主人公は、かつて一世を風靡した女性誌『BB(ビービー)』の若い女性編集員・舞。「いつかは編集長になって社会を動かすようなトレンドを生み出したい」という夢を抱きながらも、わがままな女優に振り回されたり、モデルの説得に苦労したり、デザイナーに手直しを却下されたりと、思い通りにはいかない日々を過ごしています。
ところがある日、立ち寄った書店で、『BB』にダメ出しを続ける謎のオネエと遭遇。あまりに的を射たダメ出しの数々に、ぐうの音も出ない舞でしたが、オネエから「伝え方ひとつでノーをイエスに変えることができる」とアドバイスされて、相手への「伝え方」を変えていくと、何故だかどんどん結果が出始めて……というストーリー。笑いながら読み進めていくうちに、「ノーをイエスに変える技術」、「強いコトバを作る技術」が自然と身についていくような構成になっています。
しかもストーリーのある漫画なので、「どんな場面ではどんな伝え方をすると効果的なのか」を、具体的に理解しやすいと思います。文章で書かれた本の『伝え方が9割』よりも、もしかしたら、より実践的かもしれません。漫画もけっこう面白いですし(笑)。
この『まんがでわかる 伝え方が9割』は、「強いコトバを作る技術」よりも、「ノーをイエスに変える技術」の方がページ数を多くとって解説されているので、コミュニケーション能力を向上させるのに、すごく参考になると思います。
相手の気持ちを「イエス」に変える3つのステップは、次の通りだそうです。
ステップ1: 自分の頭の中をそのままコトバにしない
ステップ2 :相手の頭の中を想像する
ステップ3 :相手のメリットと一致するお願いをつくる

どんな相手でも「イエス」と言わせられるわけではなく、「相手にとってのメリットは何かを知っているような相手」に、自分の伝えたいことと相手のメリットの一致する部分を見つけて依頼する、というのが大事なようです。
そして、「イエス」に変える7つの切り口として、次の7つのテクニックを教えてくれます。
1)「相手の好きなこと」
2)「選択の自由」(例:「何がいい?」ではなく、「AとBのどっちがいい?」と聞く)
3)「認められたい欲」
4)「あなた限定」
5)「チームワーク化」(例:「やって下さい」ではなく「一緒にやりましょう」と言う)
6)「嫌いなこと回避」
7)「感謝」

物語の中で、主人公の舞も、これらのテクニックを駆使して、自分の「伝えたいこと」を伝え、相手から「イエス」を引き出していきます。どれも、かなり効果的なテクニックだとは思いますが、一部、気になる使い方をしていた場面も……。テクニックとして「相手の好きなこと」を使う時に、「受付に可愛い女の子がいる」という真偽不明の情報を使って相手を動かしていましたが、「嘘の情報」を使うのは絶対にやめましょう。「嘘」や「心にもないお世辞」は、バレた時に自分の信用を落としてしまうことになり、結果的に、自分の「伝えたいこと」が、それ以降ずっと伝わらなくなる可能性があります(私なら「嘘つき」の話はすぐには信用しません)。きちんと調べた上で、テクニックとして利用するべきでしょう。
この本には、楽しく学べる漫画だけでなく、文章による簡潔で分かりやすい解説もあるので、とても実践的に役に立つ「伝え方の技術」を学べると思います。相手を説得するのに苦労している方は、ぜひ読んでみてください。