『仕事の問題地図 ~「で、どこから変える?」進捗しない、ムリ・ムダだらけの働き方』2017/3/8
沢渡 あまね (著)、白井匠 (イラスト)

「やることが多くて、そもそも最初から終わる気がしない」「頼んだ仕事の進捗がまったくわからない」「問題があっても、空気を乱す発言はしない」……そんな仕事のムダはなぜ生まれるのか、問題の原因を図解で示しつつ、解決策を教えてくれる本です。
「手つかずのまま、時が流れてしまった……」など、困った職場にありがちな「あるある」話から始まるので、すごく共感できて読みやすいのに、きちんと解決策も示してくれるのが嬉しいです。
実は、困った職場にありがちな「あるある」話には、無視できない2つの前提があるそうです。それは、1)仕事は生き物である(常に変化する)、2)私たちもまた生き物である(完璧ではない)ということで、「このリアルと向き合わずに、ものごとは解決しない」のだとか。本当にそうですね(汗)。
この本では「1丁目 計画不在」という問題から始まって、「10丁目 失敗しっぱなし」まで、仕事上、よくある問題の状況・原因・解決策が、ちょっとしたユーモアをまじえて、どんどん紹介されていきます。例えば、「1丁目 計画不在」になる原因には、次のようなものがあるそうです。
1)「勘でなんとかなるだろう」と思っている
2)計画の標準形がない
3)やるべきことがわかっていない
……確かに。そして、この問題の解決のためには、次のような方法で計画をつくると良いそうです。
1)構造化してみる(仕事の命題→目的→活動(観点)→細かな作業)
2)計画表を書いて、まわりに相談する(項目の抜けや漏れがないか、など)
3)「未知」か「既知」かを、皆で判断する
4)情報共有の旗振り役を置く

このように「問題の指摘」だけでなく、それぞれに解決(改善)案も示してくれるので、自分の仕事上の問題を、どう解決させればいいかについて考えやすくなると思います。
個人的に参考になったこととしては、次のようなものがありました。
「5丁目 期限に終わらない」の対策として、「変更をコントロールする」ことと、「安心して「忘れられる」環境を作る(インシデント管理)」をすること。
このインシデント管理は、「6丁目 意見を言わない」で、「意見を言う「甲斐」を創出する」ための方法としても活用されています。メンバーの意見や改善提案も「インシデント」ととらえて、同じように管理するのだそうです。……なるほど。
さらに「9丁目 対立を避ける」では、対立を避ける方法を教えられるのだと思いきや、実は、「対立は成功に必要なプロセス」だということを教えてくれます。
チーム形成には4つのフェーズがあり、「1)形成期→2)混乱期(意見の対立・衝突)→3)統一期→4)機能期」と進んでいくので、成功のためには、むしろ「安心して対立できる環境を作る」のが必要だそうです。
「そうそう、こんな問題あるよなー」と苦笑交じりに読んでいるうちに、「そうか、そうやって解決できるかも……」と、ヒントを貰える本でした。意外な解決法というのはあまりなく、わりに一般的な方法のようにも思えましたが、それだけに実行可能なものが多かったような気がします。仕事の問題で困っている方は、ぜひ読んでみてください。