『雑多なアルファベット』2003/2/1
エドワード ゴーリー (著), Edward Gorey (原著), 柴田 元幸 (翻訳)

ヴィクトリア朝教訓をほどよくパロディにした、ゴーリーさんらしいアルファベット・ブックです。
ページを開くと、マッチ箱より小さいサイズの白黒線画に、「歌は聞こえど 姿は見えず。(A hidden Bird Is often heard)」みたいな短い文章が添えられています。
もともとは、表紙の写真にあるようなマッチ箱ぐらいの「豆本」だったそうですが、これはその普及版の日本版(小さめの絵本サイズ)です。なお、もともとの豆本は400部(うち100部はなんとゴーリーさん自身が彩色した豪華版として)出されたそうです(写真のイラストがカラーなのは、そのせいですね)。でも、この普及版(日本語版)の方の中身は白黒です。
もとの豆本のサイズ感を生かしているのか、イラストの大きさが小さすぎて、普及版の方は、イラストをもっと拡大しても良かったんじゃないかなーと思ってしまいました。ゴーリーさんらしい上品なユーモアに溢れている絵ばかりなので、もっと大きいサイズでじっくり眺めたかった……。
文章の方は、「ドア閉めるなら うしろ見てから。」とか、「扇舞うには 元気が肝腎。」、「嘗めたらあかん 澱粉糊。」、「櫂を持たずに 岸去るな。」のような、まあまあ役に立つかも? とは思いつつ、うーむ……と微妙な笑みが出てしまう教訓(?)ばかり(笑)。眺めていると、なんか「じわじわくる」ものがあります。
ということで、全体的にはゴーリーさんらしい、とてもウィットに溢れた絵本でした。ホラーな要素はほとんどないので、誰でも安心して読める本だと思います(笑)。