『【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド [増強改訂版] 』2017/5/10
斎藤 昌義 (著)

とても幅広いIT情報を概観できる本です。
ITに詳しくない方は、とにかくこれ一冊を読み込むと、ITの概観を掴みやすいのではないかと思います。というのもITの専門用語はすでに物凄く多くて、IT記事を読んでも、「分からない用語」に関する解説をそのページ内で見つけることが出来ないまま、「なんとなく分かったつもり」で記事を読み終えてしまうことがあるからです(汗)。さらにIT初心者となると、この「分からない用語」が多すぎて、他の情報でその用語の意味を推測することも出来ないまま、つまり何も分からないままで終わってしまいがちなのです(涙)。
ITには詳しい(と思っている)私ですら、「DevOps」という用語の解説を見つけられないまま、ITの記事を読み終えてしまったことがありました(汗)。まあ文脈から「開発と運用の協力みたいなものか?」と推測していたのですが、この本を読んで、その推測が正しかったことを確認できました(笑)。この本は、幅広いIT情報が簡単に解説してあるだけでなく、きちんと索引もついているので、IT情報の参考書+用語集として利用できます。IT初心者の方は、この本を手元に置いておいて、分からない用語が出てくるたびに関連ページを読み込むと、だんだんIT情報が理解できていくのではないかと思います。
またITに詳しい方にとっては、説明図を作るときの参考図(たたき台)として活用できます。ITに詳しい方は、会議などでIT情報の簡単な説明を求められることが多いと思いますが、イラストで説明しようと考えると、意外に時間がかかってしまいます。そんな時、この本が手元にあると、似たような図を見つけることが出来るので、説明図作成を効率化できると思います。「勉強会の資料や提案書の素材として大活躍!」と表紙にも書いてあるように、この本の図をそのように活用して構わないそうです(「掲載する図版はすべてPowerPointデータでダウンロード、ロイヤリティフリーで利用でき、勉強会の資料や提案書の素材としてご活用いただけます」なのだとか)。
個人的に参考になったのは、「生活サービスOSの覇権を狙うAmazonのAlexa」という記事。商品の注文だけでなく、空調の温度の調整、預金残高確認、配車サービスで車を呼ぶなんてことまでしてくれるそうです。まるで秘書サービスですね! なお、GoogleもGoogle Homeという同様のサービスを提供しているようですが……こういう便利なサービスは、セキュリティに不安を感じるので、当面の間は「様子見」でいようと思います……。
もう一つ参考になったのは、「ルールを変えよ、できなければクラウドSIerにはなれない」という記事で、クラウドSIer になるための次のようなアドバイス。
・MS Officeを捨てて、Google G SuiteかOffice365を使う
・社内のファイルサーバを捨てて、Google Drive/BOX/Dropboxを使う
・メールを捨てて、Slackを使う
……その他にも、驚くほど具体的なアドバイスがありました。
ところで、この記事に関しては、そもそも「クラウドSIer 」って何? と思ってしまいましたが、残念ながら、その説明はありませんでしたので、ネットで調べました。「SIer=システムインテグレータ」のことだそうです。要するに(クラウド利用システムを作る業者)みたいな意味のようですね。なお、この記事は、全体的に文章が黄緑色のインクで書いてあり、コピー防止のためではないかと思いますが、ちょっと読みにくく感じました。
全体的に、IT情報がよくまとめられていて、ITトレンドを概観するのに最適な本のひとつだと思います。今回の改訂では、前回の『【図解】コレ1枚でわかる最新トレンド』を全面刷新して、「人工知能」、「開発と運用」、「ブロックチェーン」、「マイクロサービス」、「サーバレスアーキテクチャ」などの記事を充実させ、100ページものボリュームアップをしたそうです。かなり「使える」本だと思いますので、ぜひ読んでみてください(購入する時には、最新の改訂版であることをご確認ください)。