『日本史の謎は「地形」で解ける』2013/10/3
竹村 公太郎 (著)

河川行政に長年携わり、日本全国の「地形」を熟知する著者が、歴史の専門家にはない独自の視点で、日本史のさまざまな謎を解き明かしていく本です。今までになかったタイプの科学的(?)歴史本で、目からウロコの新鮮な感覚で読むことが出来ました。
例えば、「なぜ京都が都になったか」や「元寇が失敗に終わった本当の理由とは何か」など、今まで歴史の専門家による様々な推測がなされてきた議論にも、「地形」という観点から果敢に参戦し、「なるほど一理あるな~」と思わせてくれました。
もっとも、「なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか」や、「なぜ吉原遊郭は移転したのか」などは、ふとした思いつきをもとに、かなり強引に推論を展開しているような感じが少しありましたが(汗)、それでも、そういう一面もあったのかもな、と思えなくもありません(笑)。
歴史の本というと、読みにくい古文書の文字を読み解き、為政者が意図的に誇張して書くなどの政治的意図が隠されていないかを推測し……という苦労を重ねた歴史の専門家が、専門用語満載で書いた本とか、歴史の教科書とかを思い出して、思わず眠気を催してしまいがちでしたが(汗)、この本は、理系人間が書いているせいか文章もとても分かりやすいし、地形や気象という新しい切り口で歴史的事実を再検証しているので、ミステリー小説の探偵の謎解きを聞いているみたいな謎のわくわく感がありました。
知的好奇心をくすぐられること間違いなしの本です。