『最強の働き方;世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ77の教訓』2016/7/29
ムーギー・キム (著)
「一流の働き方」の基本姿勢を教えてくれる本です。著者のキムさんが、一緒に働いてきた人のうち「一流のプロフェッショナル」と感じた人たち(上司、同僚など)に学んだことを紹介してくれているので、現実的で実践可能な方法を学べると思います。
しかも「フレームワーク」、MECEなどのビジネス専門用語を使わずに、分かりやすい言葉で語ってくれるので、一般的な自己啓発書やビジネス書は「うさんくさい」「説教くさい」と感じている方にとっても読みやすいのではないでしょうか。
ただし語られていた内容自体は、ご本人が思っているほど、「一般的な自己啓発書やビジネス書とは大違い」だとは感じられませんでしたが……(汗)。でも、そのことは逆に、この本が「ごく普通にビジネスに役立つ方法」を教えてくれていることを示しているように思えます。
例えば「第1章 一流への道は一流の基本から」では、「メールには即答、内容は簡潔に」「メモはピラミッド構造で詳しくとれ」「資料は一枚に要約」など本当に仕事の基本となることを教えてくれますし、「第2章 一流の自己管理」では、早起き、眠りの質を上げる、健康管理などの他、人間関係や時間管理、学習習慣なども教えてくれます。……これらはごく普通のことばかりとも言えますが、現代を生きるビジネスマンとして、実際に役に立つことばかりだと思います。
個人的には、「ストレス対策として、「心のストレス積立金」を積む」という教えが参考になりました。これは、現実社会には、自分ではコントロールできない理不尽なことも多いので、「どうせ上司の指示の3割は意味がない」と最初から諦めておくという態度のことだそうです(笑)。たしかにこういう態度でいた方が、ストレス耐性がつきそうですね。
全体的には、「他の自己啓発書で読んだことのある内容」が多かったという印象でしたが、とにかく読んでおいて損はない内容だと思います。内容のエッセンスは目次と各章ごとの「まとめ」にまとめてあるので、この本を読もうかどうか迷っている方は、その部分を立ち読みしてみると判断しやすいと思います(笑)。また、この部分は復習したい時にも役に立ちます。
新入社員の方や、自分の働き方を向上させたいと考えている方は、読んでみてはいかがでしょうか。