『人の力を引き出すコーチング術』2008/1
原口 佳典 (著)
コーチングの誕生と発展の経緯、コーチングの基本スキルなどを教えてくれる入門書です。
人をなごませ、成長させる……コーチングは、そんなコミュニケーションの技術・姿勢だそうです。実を言うと、「コーチング」というのは、「教える」技術の一つなのだろうと思っていたのですが、「コーチング」は、「教える(ティーチング)」や「コンサルティング」とは違って、「知識を教える」ものではなく、「「よりよいコミュニケーションを行えるようにする」という目的に対して、「役に立つ技術」を集めて作り上げたコミュニケーションスキルアップの体系」なのだそうです。
つまり「コーチはあくまで援助者であって、先生やトレーナーではなく」、「コーチングは手段であって目的ではない」ので、「目標や夢や理想がないところにコーチングは機能しない」のだとか……これを読んで、今まで分かるようで分からないままでいたコーチングの定義が、ようやく理解できました(汗)、
この本では、第1章で、アメリカにおけるコーチングの誕生と発展の経緯がわかりやすく説明された後、第2章では、AT&Tの社風を変えるコーチングなどの事例を通して、ビジネス現場へコーチングを導入する際の留意点などが説明されます。
そして、第3章では、「聴く、語る、質問する」というコーチングスキルの3つの基本の分かりやすい説明があり、第4章では、「想像する、提案する、決定する」という3つのスキルを通して、コーチングを実践していく方法を紹介してくれます。
コーチングは、相手を受け入れる姿勢を持って、相手の言うことを「しっかりと聴く」ことから始まります。これらのコミュニケーションスキルを身につけると、ビジネスだけでなく、いろんな人間関係も円滑化できそうな気がしました。実際に第5章では、企業や、子育て、医療や近隣社会など、さまざまな場面で、コーチングの考え方やスキルが役に立ったケースが紹介されています。
「コーチングは、特定の人がもっているスキルでも、特定の会社の商品でもない。誰もがどんな場面でも使えるコミュニケーションの技術だ。そしてちょっと使ってみるだけで、思いのほか人間関係をよくしてくれる、そんなスキルだ」そうです。コーチングの考え方を学んで、コミュニケーション技術を向上させたいと思う方は、ぜひ読んでみてください☆