『資本主義の終焉と歴史の危機 』2014/3/14
水野 和夫 (著)

現在は、資本主義というシステムがついに終焉に向かい、混沌をきわめていく「歴史の危機」にあると考えている著者の水野さんが、なぜそう考えるに至ったかについて、歴史・世界情勢の観点から解説し、今後の日本がなすべきことを語ってくれる本です。
資本主義は、「周辺(フロンティア)」を広げることで「中心」が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進していくシステムで、グローバリゼーションが進む現在、もう地理的なフロンティアは残っていないと水野さんは言います。
そして現在の利子率の低さも、資本主義が終焉にあることを裏付けていると考えているようです。なぜなら「利子率=利潤率が低い」ということは、資本側が得るものがなくなることを意味していて、つまり資本主義が機能しなくなる徴候を示していると言うのです。
「資本主義の死期が近づいているのではないか。」というショッキングな文から始まるこの本は、資本主義や民主主義を「あたりまえのもの」として受け入れてきた私に、新しい視点を与えてくれました。
残念ながら水野さんは、「資本主義が終焉する前に、新しいシステムを構築すべき」と提唱しつつも、まだ、新しいシステムの具体像までは見えていないようです。それでも今の日本がなすべきこととして、(新しい方向性を模索することはもちろんのこと)、「新しいシステムの具体像が見えてくるまでは、景気優先の成長主義から脱して、財政などを均衡させておくべき」と言います。また「エネルギーの問題」に取り組むべきだと提案しています。
資本主義や民主主義が、本当に終わり(破たん)に近づいているかどうかは、よく分かりませんが(汗)、少なくとも、今後の日本をより良い社会にするために、なすべきことは何かについて、これからも考え続けていきたいと思います。