『怒らない 禅の作法 (河出文庫)』2016/4/6
枡野 俊明 (著)
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怒りに振り回されず穏やかな心で過ごすと、自分本来の力を発揮できるようになる……禅僧の枡野さんが、幸せに生きるためのシンプルな方法を教えてくれる本です。
「禅」というと「坐禅→足が痺れる」くらいの貧相なイメージしか浮かばない私でしたが(汗)、禅の心とは、物事にとらわれず今この一瞬を大切に生きること、執着を手放し日々満足して生きること、よけいなものをそぎ落としシンプルに生きること、なのだそうです。
この本はそんな「禅の心」を基本として、「怒らない人」になる禅の43の習慣を教えてくれます。43の習慣は「怒らない「心」になる16の習慣」、「怒らない「体」になる9つの習慣」、「怒らない「生活」をする18の習慣」から成っています。
その一部を紹介すると、「怒らない「心」」では、1)心にかけている色眼鏡を外す、2)手の中に、宝があると気づく、3)流れに身を任せる、4)湧いてきた怒りは、放っておく、5)人は人、自分は自分と考える、などで、「怒らない「体」」では、1)おなかからゆっくりと深く呼吸をする、2)日常の所作を美しくする、3)10分でも歩く時間を作る、など、そして「怒らない「生活」」では、1)早起きする、2)朝、テレビをつけない、3)一日のスケジュールを決める、4)掃除をする、5)本当に必要な物だけを買う、など、意外にシンプルな方法ばかり。もっとも一見簡単に見えても、「心にかけている色眼鏡を外す」とか、実際にやろうと思うと意外に困難なものも多いのですが……。
それでも「湧いてきた怒りは、放っておく」ようにするためには、「目の前のことに集中する。目の前にあることを、ただ無心に、ただひたすらやる」など、すごく効果的だと思えるような具体的なアドバイスももらえます。
誰でも思わずカッとなってしまうことはあると思いますが、「頭に来たら、一呼吸置く」のが大事だそうです。そして、いったん生まれた怒りを収めるための秘策は、「不愉快なこと、腹の立つことがあった時、何かを言う前にまず一呼吸置く」ことだとか。なるほど……確かに、怒りを感じた時に衝動的にそれをぶちまけてしまうと、今度はそうしてしまった自分が情けなくなって、心に変なわだかまりが残ってしまうものですよね(汗)。そしてその暗い気持ちがいっそう怒りを倍増させたり、ネガティブな循環に陥らせたりするのだと思います。嫌なことがあると心に怒りが込み上げてくるのは仕方ないことですが、そんな時でも、この本に書いてあるアドバイスを思い出して、怒りを受け流していきたいものだと思いました。
「第3章 ケーススタディ」では、「子供に対していつも感情的に怒ってしまう」などの具体的なケースごとに、その対処法が書いてあり、それも参考になると思います。ちなみにこのケースの場合は、「子供の態度にイライラして怒りたくなったら、しばらくその場から離れて深呼吸してみる。まったく違うことを始めて気分転換するなどして、気持ちを落ち着かせてください。」だそうです。
この他にも、「「一日一止」を心がける(目的地へ早く行こうと思ったら、定期的にゆっくり休んで英気を養い、この態勢でいいのか、ペース配分は間違っていないのかを見極めて、また走り出すということが一番有効なのです)」など、心に響く文章を数多く見つけることが出来ました。ぜひご一読ください。