『武士道のことがよくわかる本』2012/2/24
山本 博文 (著)
武士の成り立ちや構成から、体表的な武士道書、武士の教育のあり方や夫婦関係、責任の取り方までを、史実に基づいて紹介してくれる本です。
新渡戸さんの『武士道』を読むための補助資料として読んでみたのですが、新渡戸さんの『武士道』以外にも『葉隠』などの有名な武士道書の紹介もあり、さらに武士に関する総合的な解説もされていて、とても参考になる本でした。紹介されている武士道書は次の通りです。
・広く世界に武士道を広めた新渡戸稲造『武士道』
・八代将軍徳川吉宗に仕えた室鳩巣の『明君家訓』
・武田信玄の軍法をまとめた小幡景憲『甲陽軍鑑』
・儒学の理想を実現する、山鹿素行の『山鹿語類』
・多くの武士が親しんだ武士の逸話集・湯浅常山『常山紀談』
・死ぬここと見付けたり −−禁書扱いだった山本常朝『葉隠』
・主君の恩の重さを教える大道寺友山『武道初心集』
・武士の心得も書き込まれた武士の教養書・真田増誉『明良洪範』
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武士道書の概略を知るためにはもちろんのこと、武士に関する総合的な資料としても役に立ちます。武士はいくらぐらいの給料をもらっていたのかとか、武士の身分を表す名前とか、これを知っていると時代劇ドラマをより楽しめるような薀蓄が満載(笑)。時代劇ファンだけど歴史にはあまり詳しくないという方に、特にお勧めします。