『進化計算と深層学習 -創発する知能』2015/10/21
伊庭斉志 (著)
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「進化」と「学習」をキーワードとして、人工知能の実現へのアプローチや「進化計算」を用いた「深層学習」への取り組みを説明してくれる本です。
内容は、「第1章 進化計算入門」、「第2章 ニューラルネットワークと学習」、「第3章 深ディープラーニング層学習」、「第4章 進化するネットワーク」、「第5章 知能の創発」の5章から構成されていて、「進化計算」、「ニューラルネットワーク」、「深層学習(ディープラーニング)」など、最近の人工知能研究で話題になっている手法について、かなり分かりやすく説明してくれています。
特に興味深かったのは、「第1章 進化計算入門」。
そのなかで「対話型進化的計算手法(IEC)」の音楽への応用として紹介されていたジャズの即興演奏システムGenJamの仕組みは、「あらかじめ入力したジャズセクションとコード進行に沿って集団の個体を組み合わせてメロディとして演奏」→「評価者がそれを聞いて、良い・悪いの評価をする」→「この評価を元に世代交代を重ねていくうちにより良い小節・フレーズの集団がつくり出されていく」というもの。音楽のような芸術の分野でも、コンピュータで「快い」フレーズを作りだせることに、ちょっと衝撃を受けました(汗)。
また最近話題の「深層学習(ディープラーニング)」の仕組みや、その原点となった「ニューラルネットワーク」についても、原理についてのかなり詳しい説明があるので、とても参考になりました。けっこう専門的な内容なので、ちょっと難しかったのですが……(汗)。
「進化計算」も「深層学習(ディープラーニング)」も、あまり人間が手間をかけることなく、コンピュータが自分で進化・学習していく仕組みがあるので、今後、どんどん使われていくことと思います。すでに「進化計算」によるシミュレーションは、新幹線N700系の先頭車両設計に使われているなど、応用も広がっているようです。
考えてみたら「進化」という仕組みは、大きい視点で考えると、ある種の「学習」なのかもしれないなーと感じました。「進化計算」「深層学習(ディープラーニング)」「AI(人工知能)」をうまく組み合わせると、機械が人間を超える知能を獲得する日が、ますます近づきそうな気がします(汗)。
とても参考になる本でした。人工知能研究に興味がある方は、ぜひ読んでみてください☆