『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』2015/3/11
松尾 豊 (著)
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人工知能について総合的に解説してくれる本です。
現在脚光を浴びている「ディープラーニング」だけでなく、少し前に流行した(?)AIやニューロコンピュータなど、人工知能研究の歴史についても教えてくれますし、今後、人工知能が産業・社会へどのような影響を及ぼすかの予測についても語ってくれます。
専門用語の羅列ではなく、かなり分かりやすい表現で丁寧に解説してくれるので、一般の方が「人工知能」の世界を知るのに、とても役に立つと思います。
さて、最近、将棋やクイズ番組などで見ることが出来るようになった「人工知能vs人間」の戦いでは、その分野でトップクラスの人間が、負けてしまうことすら起きています。
そして、最先端の人工知能技術「ディープラーニング」をめぐって、グーグルやフェイスブックなどが数百億円規模の激しい投資・人材獲得合戦を展開する一方、宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士や、ビル・ゲイツなどが、「人工知能は人類を滅ぼすのではないか」との懸念を相次いで表明したそうです。
人工知能のテクノロジーは、ヒトを超える存在を生み出すことが出来るのでしょうか? ……もしかしたら出来るのではないかと感じています。
個人的に、とくに注目しているのは、「ディープラーニング」という技術です。
実は、従来の「機械学習」は、何を特徴量とするかを人間が決めないといけなくて、人間がうまく特徴量を設計すれば、機械学習はうまく動き、そうでなければうまく動かないという問題がありましたが、この「ディープラーニング」という手法では、データをもとに、なんとコンピュータ自身が、特徴量をつくり出して学習するのです。
本書でも「ディープラーニング」に特に注目していて、詳しい説明がのっています。それを読むと、なんとなく「人間と同じような学習の仕方」をしているようにすら思えます。いまでは、Web上に多くのデータが存在しているので、もしかしたら今後は、人間が教えなくても、機械が勝手にデータを読み込んで、どんどん賢くなっていくのかもしれません(汗)。
おそらく今後の「人工知能」は、「ディープラーニング」の他、知識の系統的な修得(AI)なども組み合わせて、しだいに人間の「専門家」に肉薄してくるものと予想されます。「人工知能」が、人類の希望となるのか、大いなる危機に成長してしまうのか、注目しないではいられません。「危機」ではなく、「希望」になるように、人間が育てていかねばならないのだと思います。
この本は、全体的には「総合解説」的な本なので、人工知能の専門家の方には物足りないかもしれませんが、「人工知能」に興味がある一般の方には、すごく参考になる本だと思います。せひ一度、読んでみてください。