『ダヤンの小さなおはなし』
池田 あきこ (著)
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猫のダヤンと愉快な仲間たちの不思議でわくわくするような出来事が、11編の物語になった大型の絵本です。
11編のタイトルは、「からまつ林の木鬼影鬼」、「リングリリパット祭へようこそ」、「エルスザトリングの幸運の石」、「水たまりの国」、「ボーン、タシルにすみつく」、「風の結び目」、「ジタンの地下室」、「マーシィのおまじない」、「ダヤンとアルスの弟たち」、「カシガリ山の収穫祭」、「ヨールカの贈り物」で、ダヤンやジタン、マーシィなど主要な登場人物が出てきますので、11編を通して読むと、初めて読む方でも、わちふぃーるどの不思議で温かな世界観を感じてもらえるのではないかと思います。
例えば「リングリリパット祭へようこそ」では、次のようなエピソードで、ダヤンの意外にちゃっかりした性格が描かれています。
ゴブリンのリングリリパット祭に行きたくなったダヤンは、ウィリーを誘うのですが、ウィリーに「招待状もなしに行くのはずうずうしいよねえ」と言われて、リングリリパット祭の招待状を自分で作ってしまいます(!)。その招待状には、「どうぞおいでください」の代わりに、「どうぞおまねきください」と書いてありました(笑)。
こんな招待状をもらったら、さぞかしゴブリンは困惑するだろうなと思ったのですが、実は、祭は昨日だったそうです。でもそのことを教えてくれた男の子は……。
……ゴブリンの男の子の親切なもてなしっぷりに、心がほっこり暖かくなります。
またこれらの11編の小さな物語たちは、他の物語と関連しているので、ファンならもちろん、「へー、あの後はこんなことになっていたんだあ♪」と、以前の出来事を思い出して、より深く楽しめます☆
例えば「ボーン、タシルにすみつく」は、『トリポカの謎』に登場したボーンのその後を描いた物語で……ああ、やっぱりそうだよね。ロック鳥に乗せてもらって、あそこから飛んできたのに、そう簡単に帰れるわけないよね……と思って、その顛末に、へらっとした笑いとともに脱力してしまいました(笑)。
これらの不思議なお話も素敵ですが、大型本なので、大きく描かれたイラストも堪能でき、ぱらぱら眺めるだけで、すぐに、わちふぃーるどの世界に入り込めます☆