『ポケット・ジョーク〈18〉政治を笑う』
植松 黎
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政治や政治家、国家をネタにした、とても面白いジョーク集です。解説などがほとんどないので、小さい文庫本にジョークがぎっしり詰まっています☆
しかも下ネタがほとんどないので、電車で読んでも安心です(笑)。
ただし出版年が古いので、ジョークのネタにされている政治家は、ケネディ、ニクソン、カーター、レーガンなど、かなり昔の方ばかりですが……内容の方は、今の他の政治家に転用しても通用するような感じです。人間の性質ってのは、時代を経てもあまり変わらないのですね。普遍的で知的なネタが多いので、読んで自分が面白いだけでなく、雑談にも使えそうな感じです。
ネタバレはしたくないのですが、一例をあげると次のような感じです。

元大統領だった男が、大学の卒業式で演説を頼まれた。式の後、大学の関係者との昼食が終ると、元大統領は、学部長夫人に彼女の肩掛けを返していった。
「これはご自分でお持ちになっておられた方がよさそうですな。私がこんなものを持っているところを見られたら、盗んだと言われかねませんので」
「あら」と夫人は微笑して言った。「そんなひどいことをしょっちゅう言われてらっしゃるみたいですわ」
「奥さん」と元大統領は言った。「私はありとあらゆるひどいことをしょっちゅう言われとる人間です。ご存じのように、私はアメリカ合衆国の大統領をやっとんたんですからな」

……どうですか? あんまり面白くなかったって? そうかもしれません。実は、このジョークは、この本の中では出来がいい方ではないからです(笑)。それでもこの話を紹介したのは、この本が私にもたらしてくれた「笑い」以外の効用も紹介したかったからです。
この本に出会うまでは、どちらかというと八方美人で、他人に嫌われたくないという気持ちがとても強かったのですが、政治家を笑い飛ばしている(罵倒している)ジョークをたくさん読んでいるうちに、(本当の「大人」というのは、批判や罵倒を怖れない人間なのかもしれない)と考えるようになりました。
同じ時期に、「興信所の人物調査で、周囲の人々に褒められるだけの人間は、高評価されない。なぜなら、他人におもねるような性格だから」と言う話を聞いたことも、この考えを補強してくれました。
なんだか、心がすーっと楽になり、「自分は自分だ。他人に少しぐらい悪口を言われたって構わないじゃないか。有名な政治家だって、こんなに罵倒されているんだから。とにかく、自分が正しいと思うことをやっていけばいい」という信念を持つようになれたのです。
優れたジョーク集というのは、読んで面白いだけでなく、さまざまな示唆を与えてくれるようです(笑)。
この本には、他にも面白いネタが、ぎっしり詰まっています。お勧めです。