『建築デザインの解剖図鑑』
スタジオワーク (著)
ふだん見ている街並みの、橋や建物のデザインの読み解き方を教えてくれる本です。
『建築デザインの解剖図鑑』というタイトルから、寺社などの和風建築や、疑似洋風建築に関するイラスト図鑑なのかなと思っていたのですが、それだけでなく、坂道などの地形の読み解き方(!)から、瓦の模様まで、街で見かけるさまざまなモノを詳細なイラストで解説してくれる本でした☆
例えば、大きな川の橋詰には、「稲荷」「交番」「公衆便所」があることが多いそうですが、これは江戸時代に橋の架け替えや延焼を防ぐために設けられた空地(火除地)にあった「稲荷」「番所」「小便溜め桶」の名残だとか。へえー、そうだったの!と思いました。
こんなトリビア知識が満載☆
鳥居には「神明」と「明神」の二種類があるとか、屋根の形とか……この本を持って散歩をすると、何気ない街並みに新たな発見ができそうです(笑)。
「Chapter1 地形を読み解く」の「坂の名前は江戸っ子のメッセージ」から始まるこの本は、建築はもちろんのこと坂道、洞窟、湧水、神社、暗渠、水路、路面電車、路地ガード下、屋台、サインなど、街の情景イラストがふんだんに描きこまれています。だから小説の場面に必要な背景をイメージする時や、実際にイラストを描くときにも、すごく参考になると思います。また鉄道模型の趣味のある方の、ジオラマ作りにも参考になると思います。「それっぽい」情景を作るときのヒントがてんこ盛り☆
一冊持っておいて損はない素敵な本です☆