内容:
『和書:仕掛絵本図鑑 動物の見ている世界』
ギヨーム・デュプラ (著), 渡辺 滋人 (翻訳)
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動物たちの目には、世界がどのように見えているかが分かる画期的なしかけ絵本です☆
猫はとてもひどい近眼だとか、牛と馬は真正面がよく見えないとか……最新の研究成果に基づいて、動物や昆虫の目に世界はどのようにうつっているのかを、同じ光景を描き分けることで表現した、世界ではじめての視覚絵本なのです。
各ページに大きく動物が描かれていて、その目の部分がめくれるようになっています。それをめくると……動物が見ている世界が見えます。
絵本の最初の部分には、折り畳みページがあって、人間が見ている世界が描いてあります。動物たちはそれと同じ世界を見ているので、このページを大きく横に開いておくと、各ページの動物たちが見ている世界と、人間の見ている世界を比べて見ることが出来るのです☆
しかけはこの「めくりしかけ」だけなので、しかけ絵本としては非常にシンプルなのですが、動物たちが見ている世界と、人間の見ている世界が、かなり違っていることに驚くのではないでしょうか。
ところで、私が「動物の視覚と人間の視覚はかなり違う」ことを初めて知ったのは、大学の授業で教えられた時で、犬や猫の見ている世界と、人間の見ている世界が違うことに、とても驚きました。昆虫は、複眼という構造自体が違う目を持っているので、見ている世界も違うだろうと想像していましたが……猫や犬まで違っていたとは! 犬や猫は、絵本などで擬人化されている影響もあったのか、人間とまったく同じ世界を見ているものとばかり思っていたからです。

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この本では、さまざまな動物が見ている世界が、どんな感じかがよく分かります。
なんと鳥は、人間よりもずっとよく見えているそうです! 人間の視覚野は脳の中で結構大きな部分を占めているので、脳のサイズが人間よりずーーっと小さい鳥が、こんなによく見えているとは驚きでした。どうりで京都の鴨川でのんびりお弁当を食べていると、上空からいきなりトビが飛来してきて、おかずを的確にかっさらっていくわけですね(汗)。
その他にも、ワシは顔の前の部分に目があるのに、ハトは顔の両脇あたりに目があってワシより広い視野を持っているということは……生き残りに「攻撃」戦略を取る生物は前方がよく見えるように、「防御」戦略を取る生物は後方までよく見えるように進化してきたのだろうか?……と、この絵本を眺めながら、いろいろなことを考えてしまいました。
この本は、哺乳類、鳥類、両生・爬虫類、昆虫などの視覚を学ぶことが出来て、科学の面白さや不思議さを体感できるしかけ絵本です。ぜひ一度、眺めてみてください。