『あかりの学校』2020/5/7
橋田裕司 (著)

 疲れを癒してくれる素朴な手作りのあかりの簡単な作り方と、活用方法を教えてくれる本です。
 小さなあかりは、災害の時に役に立つだけでなく、介護や病院の現場で心を癒すのにも役に立つようです。特に手作りの素朴なあかりは、下手だからこそ、くすっと笑える部分があって、いっそう癒されるのだとか(笑)……分かるような気がします。
 工作好きとしても、手作り照明は、だんぜん作ってみたいものの一つです。
 癒しのためのあかりには、暖色系を使うのが効果的だそうです。この本では、白熱灯やLEDライトを使った簡単なあかりの作り方も教えてくれます。白熱灯がお勧めのようですが……個人的にはLEDライトをお勧めします。白熱灯は熱で燃える心配がありますが、LEDはあまり発熱しないので素人の工作用にはぴったりだからです。100円ショップでもLEDキャンドルライトなど、暖色系の小さいライトを買えますし。なお、白熱灯を使う時には、あかりは常に電球から離れるように作ること、必ず真上に空気穴をあけるようにすることを心掛けるよう、この本に注意書きがありました。
 また「灯具とシェードは一体化」するようにすべきだそうです。
「とても多いのは、できたシェードを灯具にただ載せただけというもの。これではシェードが動いた時に電球に触れてしまう恐れがあります。灯具とシェードは一体化するようにしましょう。
 次に、不安定で倒れてしまわないように、安定した構造にする必要があります。背の高い作品の場合は特に注意が必要です。15度傾けても倒れないように設計しましょう。」
 ……和紙で作った軽いシェードなどは、電球の交換の時に便利なように灯具と一体化させずに載せるだけにしがちだと思いますが……確かに、風が吹いたり体が触れたり地震が起こったりして、いつの間にか電球にシェードが触れるようになっていても気が付かない可能性があるので、絶対に「一体化」させるよう心掛けるべきなのでしょう。
 さて、この本では、ハーバリウム用LEDライトや100円ショップのLEDキャンドルライトと、ピンポン玉や紙コップ、和紙などを使って、素敵なオーロラライトや光の森(クリスマスツリー)などを簡単に手作りする方法が、写真を使って説明されていました。

 さらにTJ法をつかった「あかりのアート」の作り方も。TJ法というのは、「とりあえずジョイント法」(笑)で、針金を曲げてハンダ付けして色々な形をつくるもの。これに和紙を張って、中に小さなLEDライトをセットすればいいのです。針金を使った造形方法の他、ハンダ付けの基本も教えてもらえます。上達すると、この本の表紙のような素敵な作品を作ることができるかも? 
 シェードに使用する和紙は「揉み和紙」がお勧めなのだとか。
「揉んだ和紙は少し伸縮性が出るので針金で作ったフレームが多少歪んでいても上手く張ることができます。またしわがつくことにより、光がより拡散して柔らかくなるだけでなく、陰影も美しく出て、より味わい深くなります。」
 さらにリビング空間を間接照明で癒しの空間にするための方法として、突っ張り棒とLEDスリムライトを使った方法や、テレビの裏、ソファの後ろに間接照明を仕込む方法など、実践的なあかりのリノベーション術の解説もありました。間接照明を使うと、普通のリビングが、インテリア雑誌に載っているような素敵なリビングになるんですね☆
 その他にも、LED球ランタンとペットボトル+発泡スチロールのどんぶりを使った超簡単なスタンドライトの作り方など、参考になる情報がいっぱいありました。
 あかりは、介護や病院の現場で「ライトテラピー」として癒してくれるだけでなく、町おこしにも役に立つそうです。
 この本で教えてくれる小さな手作りのあかりの作り方は、とても簡単なので、お子さんの夏休みの自由研究にも使えるかも。家族で手作りあかりを作ると、家族の絆を強めるとともに、出来上がった作品が、素敵な間接照明として心を癒してくれるでしょう。ぜひ読んでみてください。
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