『「超簡単」60分でわかる! リフォーム・外壁塗装の教科書』2020/1/31
堤 猛 (著)

 リフォーム・外壁塗装に関する基礎知識や現状について、分かりやすく教えてくれる本です。
 リフォームについて考えているわけではありませんが、将来のために知っておいて損はないだろうから一応読んでみよう、という程度の動機づけで読み始めた本ですが、いきなり衝撃的な事実が書いてありました。
「リフォーム業は新築の場合と違って公的な業者登録制度がなく、どんな人でも自由に名刺やチラシを作って開業することができます。建築の知識や経験がまったくない人でも始められるのがリフォーム業なのです。」
 な、なんですと?
 ……そうだったんだー。だから「外壁の塗装が劣化している」とか「シロアリの疑いがある」とかの話から、リフォーム詐欺や手抜き工事・ぼったくり業者の被害にあってしまうような人が大勢いるんだー……。他人事のように思っていましたが、もしも家を所有することになったら、やっぱりリフォーム知識もあった方がいいようです。
 それでもこの本は、冒頭の漫画部分で、あからさまに「リフォーム営業会社に頼むと、ムダな費用(大金)がかさむから建築家を活用したほうが賢いですよ!」という営業(広報)活動をしていて、かえって(胡散臭い……)と警戒させられたのですが、それを差し引いても読んで良かったと思える本でした。

 参考になった最大の点は、冒頭の「リフォームは誰でも出来るから、詐欺やぼったくりの可能性は大いにある」ことを知ったことですが、それ以外にも、「外壁塗装の塗料には色々な種類があり、塗り直しの費用を考えると、高価でも耐用年数の長いものを選んだ方が結局は得になる」とか、「手抜き工事を防止する簡単で確実な方法」とか、「塗装工事の見積書の6つの確認ポイント」など、実践的な情報をたくさん得ることが出来ました。
 ちなみに外壁塗装の塗料の種類と耐用年数は、次の通りだそうです。
・アクリル樹脂:5~8年
・ウレタン樹脂:8~10年
・シリコン樹脂:10~15年
・フッ素樹脂:15~20年
 このうち、フッ素樹脂はこの年数以前に塗り替えが必要になることが多いようで、ウレタンやシリコンを選ぶのが賢い選択のようです。
 また「塗装工事の見積書、6つの確認ポイント」は以下の通り。
1)支払いの条件
2)塗装箇所(塗らない部分は必ず確認する)
3)塗り残し防止方法が記載されているか
4)塗装工事以外の費用(足場費用・ネット養生費用・マスキング費用・シーリング工事費用・高圧洗浄費用等)がきちんと含まれているか
5)塗装の種類・塗りの回数
6)保証の有無(内容や年数)
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 リフォーム工事の現状を知ることが出来るとともに、基礎知識を学ぶことが出来て、とても参考になる本でした。工作好きの私としては、リフォーム工事は専門家に頼まず自分でやりたいと考えていますが、高所恐怖症でもあるので、高い所や、大事な構造部分など、専門家に任せたい部分がどうしてもあると思うので、読んでよかったと思います。
 これからリフォームを考えている方、特に外壁塗装工事を考えている方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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