『謎解き錯視 傑作135選』2015/5/21
ジャンニ・A・サルコーネ (著), 北川 玲 (翻訳)

時代を越え、世界中で人々を魅了し続けてきたさまざまなタイプの錯視芸術の傑作を、135点も厳選して紹介してくれる本です。クイズ形式の解説文がついているので、絵のなかに何が隠れているのかを、自分で見つける楽しみもあります。
例えば、この表紙の絵には、本の中では、「このオランダの風景画に潜む心優しき亡霊を見つけよう。」というクイズがついています。……とは言っても、この表紙写真だと、写真が小さすぎるので、風景画というよりは人物画のように見える人がほとんどだと思いますが……(笑)。こんな感じで、ページに一枚の絵や写真があり、それにクイズがついていて、すぐ下か後ろに答えが書いてある、という形式の本です。
『謎解き錯視 傑作135選』と書いてあったので、もっと「頭脳を使うクイズ」なのかと期待してしまいましたが、どちらかというと「視覚」だけを使うクイズで、絵の中に隠されているものを見つけ出すクイズがほとんどでした。だから、かなり気楽に謎解きができます。楽しい暇つぶしのための本としては、最適なのではないでしょうか。
ただし錯視に関する知識としては、「プロローグ」に5ページほどフルカラーのイラストや絵付で解説がある程度で、あまり詳しくはないので、錯視の原理などが知りたい方には、ちょっと物足りないと思います(汗)。

でも、この本には、高精細のフルカラーで錯視芸術の傑作が135点も掲載されています。これだけを一冊の本で一度に眺められるのはすごく贅沢な感じがして、それだけで満足してしまいました。解説がクイズ形式になっているのも、とても楽しいです☆
たいていの作品は、隠れているものをすぐに探せるのですが、中には、ここに隠れていると言われて初めて気がつく作品もありました。
また上下を逆さまにすると見つけられるものもあって、「木の浮彫の作品が何を表しているのか」を見つけるクイズは、逆さにしたとたんに不意に見えてくるものが、あまりにも鮮明で、視覚の不思議さを痛感させられました(笑)。
「視覚マジック」を存分に堪能できる素敵な「謎解きビジュアルブック」です。ぜひ眺めてみてください☆