『NHKスペシャル 列島誕生 ジオ・ジャパン 激動の日本列島 誕生の物語』2017/8/12
NHKスペシャル「列島誕生 ジオ・ジャパン」制作班 (監修)

日本列島が誕生するに至った壮大な物語を、豊富なイラスト、写真とともに紹介してくれる本で、2017年7月放送のNHKスペシャル「ジオ・ジャパン」をもとに書籍化されたものです。
この本は、私たちの住む日本列島が、どのような歴史を辿って今に至ったのかを、まるで「見てきた」かのように映像で教えてくれます。人気のTV番組をもとにしているので、写真やイラストにとても迫力(迫真性)があり、大昔には、本当にきっとこんな出来事があったんだろうなー……と思わされるような凄い説得力で迫ってくるのです。
日本列島には、次の4つの大事件があったそうです。
第1の事件「大陸からの分離」
第2の事件「火山島の衝突」
第3の事件「世界最大規模のカルデラ噴火」
第4の事件「山国をつくりあげた『東西圧縮』」

まず、第1の事件「大陸からの分離」が、「火成岩に残る方位磁石」を証拠としているという話に、すごく説得力を感じました。火山から噴出したマグマに含まれる鉄は、地磁気の影響で北の向きを記録しながら固まります。その後、大地が移動すると、岩石の中で「方位磁石の化石」となっている鉄も動き、北の向きがずれる……そのズレによって、日本列島が大陸からどのように引き裂かれてきたかを推理することが出来るそうです。
そして一番驚かされたのが、第3の事件「世界最大規模のカルデラ噴火」。
「1400万年前、紀伊半島で突然カルデラ噴火が始まり、南北40㎞にわたって半円形のカルデラができた。この噴火で地下に残ったマグマは、冷え固まって花崗岩となり、その浮力によって大地が持ち上げられ、紀伊半島に高い山々をつくりだした。また同時期、高温のフィリピン海プレートの衝突により西日本の広域では紀伊半島同様の噴火が起こり、西日本に高い山々が生まれた。」のだそうです。
紀伊半島の熊野地方には半円状に拡がる巨石群があり、その近くには活火山もないのに、なぜか多数の温泉が分布しているのですが、これが過去の「巨大カルデラ噴火」を物語っているのだとか。紀伊半島の地下には巨大な岩があり、「この地下の巨岩は、地下深くのマグマが固まってできた花崗岩であることがわかっている。火山がなくても紀伊半島に高温の温泉が湧くのは、この巨岩による熱のためだったのだ。」
しかも、「巨大花崗岩が、日本列島を山国に変える思わぬ出来事を引き起していた。じつは花崗岩は、地球内部・地殻をつくる岩石より密度が低い。つまり、まわりの岩石より軽いので、長い時間をかけて浮き上がり、少しずつ大地を持ち上げていくことになる」のだとか! 花崗岩が軽いから紀伊半島に高い山々が出来たなんて、あまりにも壮大すぎて、なんだか……笑ってしまいます。
この他にも、「ああ、そうだったのか!」と納得させられる興味深い話が満載☆
でも実を言うと、この番組、見逃してしまっていたんです(涙)。こんな凄い内容の番組を見逃していたなんて……本当に残念です。が、本の内容がとても充実しているので、大満足でした。
しかも「巻末特典」として、日本の「ジオパーク」ガイドもあり、日本全国のジオパークについて、写真とともに半ページから2ページぐらいの解説があります。これも凄く見応えがありました。なかでも「立山黒部ジオパーク」の「上空から見た黒部川扇状地と、屏風の如くそびえる後立山連峰」の写真は圧巻。これぞ、まさしく「ザ・扇状地」という感じで、うわー、いつか行ってみたい!と強く感じさせられました。もっとも「ジオパーク」というのは、知識なしに行くと、あまりにも広すぎて、どこがどう「見どころ」なのかも分からないものですが……(汗)。まあ、どこを見ても「圧倒的に複雑で美しい日本の自然風景」を堪能できることは出来るのですが……(笑)。
その他にも、伊豆半島はもともとは南の火山島だったとか、東日本の山地はフィリピン海プレートによる「東西圧縮」でかたちづくられたとか、興味深い話ばかり。楽しくて勉強にもなる素敵な本なので、ぜひ読んでみてください☆