『脳のしくみ (ニュートン別冊)』2017/12/18

脳の基本的なしくみの解説や、脳研究の最前線情報をまとめて紹介してくれる本(ニュートン別冊)です。
fMRIなどの機器による脳研究で、脳の基本的な仕組みが徐々に解明されつつあります。私たちは日常生活で何をするにも「脳」を使っていますし、「認知症」の方が増加しつつあるので、個人的に「脳の働き」にはすごく興味があります。この科学雑誌ニュートン別冊(2017/12/18発行)は、これまでに明らかになってきた「脳の基本的な仕組み」や、研究成果を豊富なイラストとともに簡潔に分かりやすく解説してくれます。
まず目を引いたのが、「成長とともにかわる神経回路」という記事。脳は「回路の再編成で成長する」そうです。
「乳幼児は、手を動かす神経回路が未熟なため、大ざっぱな動きしかできない。成長にともない、神経回路が再構成されると細かい動きが可能になる」のだとか。未熟神経回路では多くの神経回路がつながっているため、一つの入力に対して必要以上に多くの出力が行われてしまうのですが、成熟するにつれて、「余計な回路が働かなくなって(抑制)」、一つの入力に対して、必要な出力だけが行われるようになるそうです。乳幼児は成長につれて、どんどん神経回路を伸ばして(つなげて)いくのかと思っていたのですが、実は不要な部分を「抑制」していたんですね。確かに、その方が「素早く配線完了」できるので、むしろ合理的だ、と感心してしまいました。
また危機感を持って真剣に読んでしまったのが、「アルツハイマー病」関連の特集。
「アルツハイマー病をひきおこす原因は、「アミロイドβ」や「タウ」といった脳内に蓄積するゴミとそれによって暴走する「炎症反応」にあると考えられている。」そうですが、残念なことに、いまだ治療の決め手はないようです。それでも「アルツハイマー病の発症をおくらせる方法」として、次のことが推奨されていました。
1)日々の運動
2)規則正しい食事
3)趣味を楽しむこと、料理や楽器の演奏を行うこと、睡眠を充分とること
……これらは健康のために、すでに実践済みの方法ばかりだったので一安心(笑)。
また「脳の「神話」にご注意を!」の記事では、「脳トレ」には効果がないという実験結果があることが紹介されていました(汗)。実は「脳は筋肉のようにはきたえられない」そうです。
「脳の同じ部位をくりかえし活動させれば、筋トレで筋肉をきたえるように、脳がきたえられて機能が向上するという証拠はなく、思い込みです」
「脳は同じ課題をくり返すと活動する領域が変化する(脳は同じ動作になれてくると余計な活動をしなくなり、活動する量や領域が変わると考えられている)」のだとか。……確かに、「脳トレ」として毎日「計算ドリル」などをやるだけでは、だんだん効果が薄れてくるような気がします。それは「慣れた問題だと、脳は新しい細胞を活性化させない」からなのでしょう。「計算ドリル」「漢字クイズ」「パズル」など脳トレ・ドリルの「種類」を増やすとともに、楽器演奏、運動など他の感覚や身体も動かす色々な活動をするべきなのでしょう(友人とのおしゃべりも脳の活性化にとても役に立つそうです)。
この他にも「アインシュタインなど天才たちの脳は、凡人とどこが違うのか」とか、「損得勘定や依存症、脳の男女差」など行動経済学や心理学などの記事が盛り込まれていて、すごく興味深かったです。ぜひ読んでみてください☆