『日本の火山図鑑: 110すべての活火山の噴火と特徴がわかる』2015/7/22
高橋 正樹 (著)

日本にある110すべての活火山を網羅した図鑑。火山の全景や噴火時の様子がわかる写真が数多く掲載されていて、それぞれの火山の噴火史や防災に関する話題も盛り込まれています。次の4章で構成されています。
第1章 火山を解剖してみる
第2章 日本の活火山
第3章 火山をより深く身近に知ろう
第4章 火山がもたらすたくさんの恵み
このうち、第1章では、火山の成り立ちや噴火のしくみなど、知っておきたい基礎知識の解説で、第3章では、噴火予知と災害について、第4章では、火山が温泉や湧水をもたらしてくれるだけでなく、ミネラルたっぷりの火山灰や火山噴出物が農業に適した広い平地を提供してくれたことなど、火山に関する総合的な知識を、簡単に概説してくれます。
第1章では、「火山噴出物」の写真がすごく参考になりました。平滑な表面を持つ「パホイホイ溶岩」の写真は、銀色のスライムみたいで、溶岩というと黒くてゴツゴツした岩のようになるものという先入観を見事に裏切ってくれました(笑)。ゴツゴツしているのは「アア溶岩」で、他に多面体の岩塊になる「ブロック状溶岩」というのもあるようです。

そしてこの本の中で最も充実しているのが、第2章 日本の活火山。これが本の八割ぐらいを占めています。ここでは、日本にある110もの活火山を、大きな写真やイラストで個別に解説してくれます。そのほとんどが、噴火口の形がよく分かる「空から撮影した」写真。観光写真は「下から眺める火山」がほとんどだと思うので、この角度からの写真は貴重で、すごく見応えがあります。火口がカルデラ状になっているのを見ると、ここから何か熱いものがいっぱい噴出して周囲にまき散らされたんだ……と恐怖を覚えるとともに、その姿かたちの美しさにも感動させられます。ほとんど火山のグラビア集みたいな感じで、山好きにはお宝になる本だと思います☆
110の活火山すべてが網羅されていて、簡単なデータも掲載されているので、ビジュアル図鑑としても活用できます。噴火した写真などもあって、迫力も満点です。
なかには2013年に新たに噴火を始めた伊豆・小笠原諸島の西之島の経過写真もあって、最初は島から少し離れた南東沖300m付近で海底噴火として始まったのが、マグマ水蒸気噴火によって火砕丘が形成され、わずか1か月ぐらいで西之島と一体化するまで成長、その後も西之島をどんどん大きくしていく様子を写真で見ることが出来ます。……本当に、日本(地球)は生きているんですね……。
伊豆・小笠原諸島や、沖縄の南西諸島には、海底火山も多いそうで、海上に変色水域が現れた「海徳海山」や、新島の出現と消滅をくり返す活動的な海底火山「福徳岡ノ場」など興味深い火山の写真やイラストが満載☆ すごく見応えがありました。
日本は火山・地震国なので、火山について知っておくことは、防災上の知識としても役立つと思います。火山について詳しく知りたい方は、「火山博物館」を訪れるという方法もあるようで、日本にある火山博物館の紹介ページもありました。十勝岳、洞爺湖、浅間、伊豆大島、立山、阿蘇、雲仙岳、桜島の近くにあるようです(全8か所)。機会があったら、ぜひ行ってみたいと思いました。
日本の活火山を総合的に知ることが出来る「火山図鑑」で、用語解説もあります。ぜひ読んでみてください☆