『風はなぜ吹くのか、どこからやってくるのか 』2015/5/22
杉本 憲彦 (著)

風が吹く仕組みから、身近な風や地球規模の風、気候と風の関わりや未来の風の予測まで、とても幅広く分かりやすく教えてくれる本です。ざっくり言うと気象の解説本ですが、気象に関連した科学知識をすごく分かりやすく、しかも幅広く教えてくれるので、中学・高校生の方にはすごく参考になると思いますし、大学生や社会人にとっても科学知識の復習(掘り下げ)になると思います。
実を言うと、数学は苦手だったくせに、ビーカーやフラスコを見ると心が躍るほどの科学好きなので(汗)、この本はすごく楽しく読めました☆
なにしろ「風が吹く仕組み」に入る前に、準備知識として「大気のなりたち」や「電磁波と色(空はなぜ青いか)」などから教えてくれるのですから(青い光は散乱しやすいので空は青く、赤い光は直進しやすいので朝日夕日は赤いのです)。
「大気のなりたち」によると、シアノバクテリアの光合成で排出された酸素が海を酸化しつくしてから、大気中に初めて酸素が放出されたそうで……シアノバクテリア、どんだけ光合成しまくったんだよ!とツッコミをいれたくなりました(笑)。
また「地球の熱のやりとり」では、お風呂の水があふれないバランスの考え方など、身近なものを使ったたとえ話がすごく分かりやすくて、なるほど☆と思わされる話がいっぱいでした。
「ブラウン運動」、「蜃気楼の原理」、「アルキメデスの原理」、果ては「相対性理論」や「量子論」、「惑星気象学」まで登場してきて、かなり難しい話が多い上に情報量も多くて、読むのは大変なのですが、説明がとても上手なので、意外に(?)楽しく読み進められます☆ 「気象」以外の科学知識もぎっしり詰まっているので、これを読むと「理系」の教養がすごく深まりそうな気がします。
著者の杉本さんは、子どもの頃、地球が丸いという話をにわかには信じられなかったそうで、地球の裏側にいる人はなぜ落ちないのか? と考えだすときりがなく、気持ち悪くなったそうですが……ああ、だからこの本の説明は、すごく上手なんだ、と納得できました。どの話も、杉本さんが自分の頭でよく考え、きちんと咀嚼して本当に理解した上で説明してくれているという感じがします。
「風の話」を切り口にして、幅広く体系的に、しかも分かりやすく科学を学習させてくれる本で、だんぜん、お勧めです☆