『「地球のからくり」に挑む』2012/6/15
大河内 直彦 (著)

地球の営みと私たちの暮らしがどのような原理で結びついているのかについて、エネルギーを軸として考察した本です。
人間の活動も含めた地球規模のエネルギー循環について、太陽エネルギー、石油、石炭からメタンハイドレート、さらには原子力まで幅広く解説してくれるだけでなく、食物連鎖から、戦争と資源の関わりなどの歴史まで、本当に幅広く紹介してくれます☆
エネルギー供給源の最大のものは、なんといっても「太陽」。光だけでなく、風雨などの気象を変化させるのも太陽です。
植物は光合成によって太陽エネルギーを「固定」していて、動物の生きるエネルギーの根源は、最終的には、植物プランクトンに到達します。このことは、太陽エネルギーの総量が決まっている限り、地球上に暮らすことのできる生き物の上限が自ずと決まることを示唆しているそうです(!)。
そして人間は農耕をより効率化するために、肥料として窒素を求めるようになり、そのためにドイツで開発された「窒素固定化」法で、肥料と同時に火薬をも合成することが出来るようになったのだとか。そして……このことが、ドイツを世界大戦へと走らせる原因の一つになったのかもしれない、という考察には、驚くと同時に納得させられました。ナチスドイツが敗けることになったのは、連合国がドイツの液体燃料(石炭から人工液体燃料を製造する)工場を集中的に空爆したからなのだそうです……。
この本は、このようにエネルギーを軸として、広い観点で、生物を、世界を、歴史を考察していて、ああー☆そうなのか……、ああー☆そうかも……と、目からウロコがぼろぼろぼろ(笑)。話題は幅広く展開していきますが、解説が分かりやすいので、すごく楽しく学ぶことができます☆
驚かされたのは、首都圏一帯の地下に大量の天然ガスが眠っているという話(南関東ガス田)で、なぜこのエネルギーを利用しないかと言うと、地下からガス抜きすると地盤沈下するので、このガスの採掘が法律で基本的に禁じられているそうです。(その例外が、千葉県茂原市で採掘されている天然ガスだそうで、南関東にそんなガス田があるとは驚きでした)。
ところで石油も、その起源は、シアノバクテリアが太古の昔に数百万年にわたって大繁殖して溜めつづけた太陽エネルギーだそうです。私たちは、そんな石油をどんどん使って、車を走らせ、プラスチック製品を利用し、TVや冷蔵庫などの電力を消費しているのですね。大増殖した私たち人類は、地球の自然な営みを攪乱し、公害や地球温暖化などの、さまざまな問題を引き起こしています……。
地球は大きな「閉空間」です。無駄なエネルギーを使うことは、結局は自分で自分の首を絞めることにつながるのかもしれません。
とはいっても、いまさら不便な生活に戻りたくはありません(汗)。それでも、エアコンの設定温度を適度にし、使っていない部屋の電灯を消して、食べ物を無駄にしないなど、せめて自分に出来る努力はしたいと思いました(この壮大な地球サイクルに関する本を読んで感動した後の行動としては、あまりにもミミッチイですが……汗)。
いろいろなことを学べて、考えさせてくれる本です。ぜひ一度、読んでみてください☆