『本格折り紙―入門から上級まで』2007/7/1
前川 淳 (著)

鼠や変形折鶴などの入門編から始まって、孔雀や龍、悪魔など「どうしたら、こんなの折れるの?」と驚くような上級編の作品まで、全部で43作品の折り方を詳しく教えてくれる「本格的な折り紙の本」です☆
正直に言って、「折り紙の本」というのは、一見すると「あ、この通りに折ると折れるのね」と簡単に思えるのですが、実際に紙で折ってみると、「え? ここって、どう折るの?」と分からなくなって結局途中挫折するということが、ありがちです(汗)。なぜなら折り紙の折線は、谷折りと山折りが途中逆転することも多い上に、だんだん折線が細かくなっていって、どれがどの線なのか分からなくなったり、間違った折線をつけてしまうと、その線がさらに混乱を招いてしまったりするからです(汗、汗)。
この本も、そういうことがまったくないわけではないのですが、他の本よりも、折り方説明が系統だっていて、かなり詳しく書いてあります。二次元の紙を折っていくことで三次元の作品を作ることを、二次元の本のページで説明するのは本当に難しいので、この本の説明には、「ああ、こういう時は、こういう風に説明すると分かりやすいんだ……」と、すごく感心させられました。
だから折り紙初心者の方でも、なんとか、この本だけで「折り紙を折れる」ようになるのではないかとは思いますが、まったく折り紙をしたことのない方には、この本から始めるのではなく、もっと簡単な作品が掲載されている子供向けの本を読んで、ごくごく一般的な「折鶴」「兜」などから始めることをお勧めします。というのは、この本には、「折鶴」「兜」の基本の折り方が、一つの作品としてまとまっては書いてなくて、最初から「変形折鶴」「飾り兜」といった、少し難しい形で出てくるからです。
私自身は、子どもの頃に「折鶴」「兜」などの基本形を毎年のように折っていたので、この本の最初に出てくる「入門編」の「鼠」ぐらいは楽勝だろうと思っていたのですが……久しぶりに折り紙をしたせいか、途中から「ん?」と悩むこともあって、ちょっと苦戦してしまいました(汗)。それでも「イラスト」「解説」の折線山線、途中経過の形をじっくり見て、同じようになるように折ることで、なんとか数分で作成させられました。
この最初の作品「鼠」のテーマは、「記号を理解する」なので、この作品の折り方を通して、「中割折り、つまみ折りなどの技法を含めて、基本的な記号を説明」してくれます。そして次の作品の「リス」のテーマは「基本形」で、作品を通して、基本形の理解がなんとなく出来るようになっている……というように、作品ごとにテーマがあり、順番に折っていくことで、じょじょに「本格的折り紙」の技術を高めていけるのです☆
入門編三番目の「仕切り箱」のテーマは「折鶴の基本形」で、途中までは折鶴と同じ折り方をしていたのに、最後には「仕切り箱」になる不思議さが、すごく楽しかったです。この仕切り箱は、途中で折り方がよく分からなくなり、いったん開いて、やり直したのですが、開いた時の折線(展開図)と、作品の完成図をじっくり見ることで、どの線がどの形になるかが理解できたので、もう一度最初からやり直して、ようやく最後まで完成させることが出来ました。
こんな感じに、少しずつ「実際に折って学ぶ」ことで、自分の折り紙の技能をじっくり上達させることが出来そうです。まったくの初心者向けの本ではないと思いますが、子どもの頃「折鶴」などの折り紙をしたことのある方以上の方には、とても参考になるのではないでしょうか。一つだけですが、「ユニット折り」のもの(フジヤマモジュール)も掲載されているなど、いろんな折り紙の折り方を幅広く学べます。個人的には、作品を作る技能面で参考になっただけでなく、「折り紙の折り方を説明する(文章&イラスト)方法」が、すごく参考になりました。
一冊持っていて損はない「本格折り紙の本」。お勧めです☆