『日本人だけが知らない戦争論』2015/4/22
苫米地英人 (著)

「戦争はなぜ、地球上からなくならないのか?」ことを深く考察している苫米地さん流の戦争論ですが、それだけではなく、「常識を疑う」ことを教えてくれる本です。
「戦争はなぜ、地球上からなくならないのか?」
その答えはいたってシンプル。いつの時代にも、戦争を起こしたい奴らがいるからだそうです。すなわち、戦争や紛争で「経済的利益」を受ける人間たち、例えば国際金融資本家たちだとか。
「第2章 クロムウェルはなぜ戦争を起こしたか」では、歴史の教科書などでは一般的に、国王から国民の権利を取り戻したとされているクロムウェルには、実は、大銀行家たちがひそかに資金提供をしていて、イングランド革命の結果設立されたイングランド銀行を通して、大銀行家たちがイングランドの通貨発行権と信用創造権を手に入れ、莫大な利益を得たと論じています。
またアメリカの南北戦争も、リンカーンによる奴隷解放が目的だったのではなく、真の目的は、アメリカ北部の工業化のための労働力として、南部の黒人奴隷を活用したかったからだそうで……、それ以外にも、アメリカの独立戦争、日本の明治維新の裏でも、ヨーロッパの銀行家たちが暗躍していたと論じています。
……この本に書いてあることは、今まで歴史の教科書で教えられてきたことと、あまりにも違うので、にわかに信じることは出来ませんが、こういう見方もあるんだなーと深く考えさせられました。しかも説得力も、それなりに感じます。教科書などで教えられたように、「アメリカの南北戦争は、奴隷解放という崇高な理念で行われた」だけだったとは、もともと信じていませんでしたから。「他人や他民族」の自由のために「自分の命を賭けて戦える」人なんて、めったにいないと思います(汗)。
それでも、この本で論じられたことをすぐに鵜呑みにすることは出来ないので、信じるためには、「裏をとる」必要があるとも感じました。
実際に、この本で苫米地さんが主張したいことの一つは、「この世に絶対と言うものはない」ことだと、苫米地さん自身も、「第6章 来たるべき第3次世界大戦と「国家洗脳」の手口」の中で述べています。
そして、戦争の時代にわが身を救う唯一の方法は、「お金に興味を持たない」ことで、「疑うこと」「恐れないこと」「執着しないこと」だそうです。……意外なことに(?)、これらは、すでにある程度身についていましたので、ホッとしました(笑)。
また、この本の中で、最も恐ろしかったのは、「サイバー戦争」をテーマとした「第7章 21世紀の戦争は「5次元化空間」で繰り広げられる」でした。
「5次元化空間」とは、3次元の破壊現場に時間空間と情報空間を加えたもので、例えば遠隔操作による無人攻撃機(ドローン)を使った攻撃などが、その戦争の例としてあげられています。また2009年のイランで、稼働中の遠心分離器が、アメリカとイスラエルによるサイバー攻撃で破壊されたという例は、とても有名なので知っている方も多いと思います。
……大国や巨大国際資本家たちが本気になったら、そのサイバー攻撃を防ぎきるなんて誰にも出来ないよなーと、読み進めているうちに無力感を感じてしまいました。
戦争については、あまり深く考えることはありませんでしたし、これからも積極的にかかわりたいとは思いませんが(汗)、「常識」を疑うことは、していきたいと思います。