『海上の巨大クレーン これが起重機船だ』2017/10/26
出水 伯明 (編集, 写真)、深田サルベージ建設株式会社 協力 (その他)

長大な橋を架け、巨大な沈没船を引き揚げる……巨大起重機船と作業員の男たちに魅せられた「空撮カメラマン」が、海上と陸、そして空から撮り下ろした迫力満載の本です。
「起重機船を見ると、気持ちの高ぶりを覚えずにはいられません。」
という書き出しで始まるプロローグ。本当にそうですよね! 港の岸壁で働く巨大なクレーンを眺めても、「おお! 大きい! 動いてる!」と感動的なのに、巨大起重機船が橋を組み立てているのを見ようものなら……その迫力に「うわー☆」と思わず絶句して息をつめて見入ってしまいそう(笑)。鳴門大橋などの巨大な橋も、巨大起重機船があってこそ建造できたのですから。
この本は、そんな巨大起重機船を、とことん堪能できる素敵な本です☆ というのも著者の出水さんはカメラマンなので、オールカラーの写真がふんだんに掲載されているからです。しかも巨大起重機船への愛が、びしびし感じられるカッコいい写真ばかり。いろんな角度から巨大起重機船の雄姿を眺めることが出来ます☆
しかも、それだけではありません。巨大起重機船で働く人々の姿もしっかりとらえられていて、巨大起重機船での働き方まで実感することが出来ます。
冒頭の「第1部 知られざる起重機船の世界」では、巨大起重機船<金剛>が別府港にケーソンを運ぶ仕事の様子が、ドキュメンタリー映画みたいに迫力ある写真&文章でつづられていて、「へえー、そうやって仕事していたんだ」という発見の連続。巨大建築&工作好きには大興奮もの。巨大なケーソンを誤差「3センチ以内」で設置するための苦労や工夫が、臨場感たっぷりに伝わってきます。……もっとも自分の仕事にはあまり関係ないので、知ったところで別に何もならないんですけどね(笑)。
巨大な巨重量の吊り下げ作業、一歩間違うと大惨事になりかねないので、安全にはすごく注意しているようです。設置作業だけでなく、廃棄物の撤去作業も慎重に行っているそうで、事前に分厚い計画書を作成するとか。新品の設置作業より、廃棄物の撤去作業の方が気楽にやれそうな気もしましたが、廃棄物は長年の間に修理されたりして重量や重心位置が変わっていることがあり、現場で調整しながら作業を進める必要があるそうです。……確かに。物凄い重量のものばかりなので、安全第一で作業して欲しいと思います。
その他、サルベージ作業に欠かせないダイバーの仕事など、起重機船の世界を、写真と記事で迫力満点に堪能できて大満足の本でした。ど迫力の「起重機船での仕事」を眺めると、「人間って本当に凄いな☆」と心の底から素直に思えて、なんだか元気と勇気をもらえたような気がします。役に立つかどうかは分かりませんが(笑)、巨大建築好きの方は、ぜひ一度、眺めてみてください。わくわくしちゃいますよ☆